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 民事裁判の話 (民事訴訟の話)庶民の弁護士 伊東良徳のサイト モバイル新館

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 民事裁判って何ですか GO
 民事裁判にはどんな裁判がありますか GO
 民事裁判で裁判所は何を判断するのですか GO
 民事裁判はどのようにして始まるのですか GO
 民事裁判はどのように進められますか GO
 民事裁判はすべて判決が出されるのですか GO
 裁判所からの呼出が来ましたが、行かなかったらどうなりますか GO
 裁判で勝ったら判決通りのことが実現できますか GO
 裁判が終わるまで待っていては困ることがあるとき何か方法はありますか GO
 民事裁判の費用 GO
 
判決に不満があるときはどうすればいいですか GO

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民事裁判って何ですか
 広い意味では、犯罪を処罰するための裁判(これが刑事裁判です)以外の裁判は、すべて民事裁判に分類されます。
 国や地方自治体(都道府県とか、市町村など)などの行政機関が公的な権限によって行ったこと(代表的には各種の許認可をしたことやしないこと、例えば原発の設置許可とか、運転免許の停止や取消、税務署の課税や労災の不支給決定などですが、公務員に対する免職なども含まれます)が争われる裁判は、行政裁判(行政訴訟)と呼ばれ、通常とは少し違う裁判手続になります。これについては、「行政裁判の話」を見てください。
 また、離婚や親子関係などに関わる裁判は、家事事件とか人事訴訟とか呼ばれ、これも民事裁判ですが、少し違う裁判手続になります。
 民事裁判(法律家の業界では「民事訴訟(みんじそしょう)」と呼ぶことの方が多いです)は、広い意味では、刑事裁判以外の裁判全体を指し、多くの場合は刑事裁判と行政裁判を除いた裁判を指し、一番狭い意味では家事事件なども除いた、法律家の業界では「通常民事事件」と呼ばれる裁判(裁判所では事件番号に「ワ」をつける事件)を指します。このサイトでは、ふつうの人の感覚に合うように、刑事裁判と行政裁判を除いた裁判が民事裁判という前提で説明します。

 (刑事裁判との比較で)民事裁判の特徴は、国が主導して裁判が行われる(始まる)のではなく、紛争当事者が紛争の解決を裁判所(国)に求めて初めて裁判が行われるということにあります。その意味で、民事裁判を主導するのは当事者で、裁判所(国)はむしろ、紛争解決のためのサービスを提供しているのです。
 そういう特徴から、裁判所は当事者(基本的には原告)が求めた範囲でしか審理をせず判断を示さない、証拠(書証と人証)も当事者が提出したものしか見ないし、当事者間に争いがないことは証拠がなくてもそれを前提とする、裁判所が間に入って和解(話し合い)ができれば判決はしない、「真実の発見」よりも紛争の解決が優先なので確定判決が間違いであるとはっきりしても再審請求は認めないなどが、原則(民事裁判の基本)となっています。それらの原則の内容は、この後で個別に説明していますが、それが当事者が紛争解決を裁判所に求めたときに、そのとき初めて、それに必要な範囲で、裁判所がそれに応じたサービスをするのだという特徴によるのだと考えると、民事裁判のさまざまなことが理解しやすくなると思います。

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民事裁判にはどんな裁判がありますか
 ありとあらゆることが裁判になり得ますが、庶民の立場でありがちな裁判としては、約束(契約)を守らない相手に約束通りにして欲しい(例えば貸したお金を返して欲しい、家賃をきちんと払って欲しい、品物の代金を払って欲しい)という裁判、約束を破られたり悪いことをされて損害を受けたので弁償して欲しいという裁判、職場を首にされたけれども不服なので職場に戻りたいという裁判、夫婦が離婚をしたいという裁判、亡くなった人の財産を分ける話し合いがうまくいかないので裁判所で決めて欲しいという裁判などがあります。(後の2つは離婚事件、遺産分割事件と呼ばれ、家事事件で、通常民事事件とは少し手続が違い、また裁判所も家庭裁判所が担当します)

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民事裁判で裁判所は何を判断するのですか
 民事裁判の判決では、当事者(原告・被告)の主張する事実があったか、どのような事実があったかを認定し、その事実を法律などの判断基準に当てはめて、当事者(普通は原告)の請求が認められるか、どれくらい認められるかを判断します。しかし、民事裁判では、裁判所は、当事者の請求した範囲で、請求が認められるかの判断に必要な範囲でだけ判断を示すのが原則なので、当事者の思い・思惑と外れることがあり、また一般の人に理解しにくいところがあります。
 もっと詳しくは「民事裁判の判断の対象」を見てください

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民事裁判の手続
民事裁判はどのようにして始まるのですか
 訴えを起こす人が、裁判所に訴状(そじょう)を出すと民事裁判が始まります。
  もっと詳しくは「民事裁判の始まり」を見てください
  なお、訴状を作成するときに私が考えていることについては「訴状の作成」で説明しています 

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民事裁判はどのように進められますか
 法廷で訴えた人と訴えられた人が主張や証拠を出して進め、主張が大方尽くされると、当事者や証人の尋問をして証拠調べをします。
  もっと詳しくは「民事裁判の審理」を見てください
    簡易裁判所での審理については、「簡易裁判所での民事裁判の審理」もあわせて見てください
  裁判上の主張については、「訴状の作成」、「答弁書の作成」の他に、「準備書面の作成」もあわせて見てください
  民事裁判での立証の具体的な考え方やイメージについては、「民事裁判での立証」を見てください
  証拠については「証拠にはどんなものがありますか」「録音した証拠と民事裁判」を見てください
  弁護士の証拠収集について詳しく知りたい方は次のページ(↓)もどうぞ
   「証拠書類の発掘:まずは依頼者から」「証拠書類の入手:弁護士会照会とお手紙
  証人尋問について詳しく知りたい人は「反対尋問」「異議あり!」もどうぞ

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民事裁判はすべて判決が出されるのです
 実際には、多くの事件で裁判所が仲介して話し合いをする和解(わかい)が勧められ、民事裁判の相当な部分は和解で解決しています。
 弁護士は、事件の性質上和解がほぼあり得ない場合や、依頼者が和解はしたくないと言っている事件でなければ、ふつう、このまま進行して判決になったらどうなるかの見通しを立て、どのあたりで和解するのが適切かを考えながら裁判を進めます。
  もっと詳しくは「和解」を見てください

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裁判所からの呼出が来ましたが、行かなかったらどうなりますか
 相手方の言い分を認めたものとして、相手方の言い分通りの判決が出される可能性が高いです。
 訴状を受け取っていながら無視した場合だけではなくて、訴状の受取を拒否した場合(不在連絡票を放置した場合)も、被告に不利な扱いになります。
 それだけではなくて、場合によっては被告が受け取れないのも無理はないというときでも被告に不利になることがあります。
  もっと詳しくは「裁判所の呼出を無視すると」を見てください

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裁判で勝ったら判決通りのことが実現できますか
 実現できる場合と実現できない場合があります。お金の支払を求める裁判で相手方にありかがわかる財産が十分にあれば、相手方が支払を拒否しても強制執行(きょうせいしっこう)ができます。しかし、判決の内容が強制できない種類のものだったり、相手方の財産がないかありかがわからない場合は、強制執行できず、判決の内容が実現できないことになりかねません。裁判中に財産を隠されたり売られたりすることを防ぐためには仮差押え(かりさしおさえ)などの方法があります
  もっと詳しくは「強制執行と仮差押え」を見てください

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裁判が終わるまで待っていては困ることがあるとき何か方法はありますか
 裁判が終わるまで待っていると非常に大きな損害があるとか危険がある場合には、仮の地位を定める仮処分(かりのちいをさだめるかりしょぶん)という手続があります。かつて田中真紀子の長女vs週刊文春、ライブドアvsフジテレビで、最近では高浜原発の運転差し止めで有名になった手続です。普通の裁判に比べて早く決定が出ますが、高額の保証金を要求されることがあります。
  もっと詳しくは「仮の地位を定める仮処分」を見てください

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民事裁判の費用
 裁判にかかる費用には、裁判所に納める費用、弁護士費用などがあります。
 裁判所に納める費用には、裁判を起こすときにかかる手数料(訴状に印紙を貼ります)・予納郵券(よのうゆうけん:郵便切手で納めます)と、裁判の進行中にかかる証人の旅費・日当の予納などがあり、裁判所に納めるものではないですが実費として(弁護士費用以外に)かかるものとして裁判記録の謄写(コピーのこと)費用、裁判所までの弁護士の交通費などがあります。
  もっと詳しくは「裁判所に納める費用(民事裁判)」を見てください
  それが払えない場合については「裁判所に納める費用が払えないとき」を見てください
  裁判が終わった後の訴訟費用の相手方からの取立については「訴訟費用の取り立て(民事裁判)」を見てください
  弁護士費用が払えない場合については「法テラスの代理援助を使う場合」を見てください
  なお、私の場合の弁護士費用は「弁護士費用(私の場合)」を見てください

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判決に不満があるときはどうすればいいです
 控訴をすることができますが、第1審判決の法律論が無理があるとかかなり無茶な判決でなければ(素人目にはかなり無茶な判決と見えても、というべきでしょうね)、現実は厳しいです。
  もっと詳しくは「控訴の話(民事裁判)」を見てください
  控訴審に不満があるときの上告については「まだ最高裁がある?(民事編)」を見てください
 確定判決に対する再審請求は、控訴、上告よりさらに厳しいというか、ほとんど無理だと考えてください。
  一応「再審請求の話(民事裁判)」で説明します。

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