庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

    ◆民事裁判の話私に相談・事件依頼をしたい方へ
  法テラスの代理援助を使う場合

ここがポイント
 法テラスの代理援助には、相談担当弁護士が担当する方法と、自分で弁護士を選びその弁護士から申請してもらう方法(持ち込み事件)の2つがある
 私に相談・依頼して、収入・資産が法テラスの資力基準を満たす場合は、持ち込み事件にします(事件は私が担当します)
 法テラスの資力基準は、世帯収入で、世帯人数により決まっていて、住宅ローンや家賃も考慮される
 法テラスを利用すると、着手金が通常の弁護士の基準より安く、月5000円〜1万円の分割払いになる
代理援助とは
 資産がなく収入が少ないために弁護士費用を支払えない人のために、日本司法支援センター(法テラス:2006年9月までは財団法人法律扶助協会の事業でした)が弁護士費用の立替等の事業をしています。法律扶助協会時代は、これを「法律扶助」と呼んでいましたが、「扶助」という言葉のイメージがよくないとかで、今は「代理援助」と呼んでいます。弁護士などの専門家の代理人を付けるための費用の援助ということですね。

代理援助の利用方法・手続
 代理援助を利用する方法は、司法支援センターの地方事務所(東京では、新宿、池袋、上野、立川、八王子など)の法律相談に行ってそこで担当した弁護士に事件を担当してもらうというパターンと、法テラスと契約している弁護士(私も一応そういうことになります)に相談してその弁護士に事件を依頼した上でその弁護士経由で司法支援センターの審査手続を行うパターン(司法支援センターの用語では「持ち込み事件」と呼んでいます)があります。
 どちらの場合も司法支援センターの審査手続で資力基準と「勝訴の見込みがないとはいえないこと」の要件を満たすと認められる必要があります。
 司法支援センターの審査手続は、司法支援センターの相談所で相談した弁護士に依頼する時は、東京では申し込んでから2週間程度先の日に指定され、その日に司法支援センターの事務所に行く必要があります。
 持ち込み事件(つまり司法支援センターの相談所ではなく、弁護士事務所に相談に行って、依頼するときに法テラスを利用する)の場合、東京では、従来は、先に電話で審査の日時を予約して、その後申込書をFAXし、審査の日に相談者(依頼者)と弁護士が司法支援センターの事務所に行っていました。しかし、今は、審査の日程を入れないでまず申込書等をFAXし、司法支援センター側でそれを検討して、書面審査(司法支援センターの事務所に行く必要なし)にするか、審査の日に出席を求めるかを決め、書面審査ならば追加して提出すべき書類を指定されてそれを追加提出すればそれで援助決定となるという仕組みになっています。面接審査の場合、現在は原則として援助を受ける本人だけが司法支援センターの事務所に行き、審査委員からの質問に答えたり、説明を受けることになります(弁護士は出席しません)。司法支援センターの東京事務所に電話で聞いたところ、多重債務(債務整理・過払い金請求)の案件以外では、書面審査ではなく審査に出席してもらうことの方が多いとのことです。

弁護士費用の立替と支払の概要
 代理援助を利用すると、弁護士費用を日本司法支援センターが立て替えて、依頼者は日本司法支援センターに月5000円とか1万円の分割払いをすることになります。本当に収入が少なくて生活保護を受けているような場合には、事件が解決するまで支払を猶予したり、事件が終了しても支払えない場合にはさらに支払を猶予したり免除するということもあります。
 代理援助を利用する場合、弁護士費用の総額自体も、通常の弁護士費用や弁護士会の法律相談センターの基準よりも低くなるのが普通です(具体的には、私のところへよく来る労働事件や自己破産のケースについて、この下にめやすを書いておきました)。日本司法支援センターの基準にも事件によって幅があり、審査委員の審査で決まりますので、予めいくらになるとは言えませんけど。
 事件終了によって相手方から支払を受けた場合には、その支払金から着手金(+実費)の未払い額と報酬金を差し引かれます。相手方から支払があった場合の報酬金については、法律相談センターの基準と概ね同じ程度の額に決定されることが多いようです。

  法律扶助の資力基準:東京23区(多摩の大部分も同じ)の場合

世帯収入が次の基準以下で、特に資産がない場合は法律扶助を受けることができます。
 単身者   月収20万0200円以下 (家賃・住宅ローンがある場合5万3000円まで加算可)
 2人家族  月収27万6100円以下 (家賃・住宅ローンがある場合6万8000円まで加算可)
 3人家族  月収29万9200円以下 (家賃・住宅ローンがある場合8万5000円まで加算可)
 4人家族  月収32万8900円以下 (家賃・住宅ローンがある場合9万2000円まで加算可)
 5人家族  月収36万1900円以下 (家賃・住宅ローンがある場合9万2000円まで加算可)
「特に資産がない」の判断では、本人と配偶者の預貯金等を合算して次の金額以下ということが基準になります。
 単身者      180万円以下
 2人家族     250万円以下
 3人家族     270万円以下
 4人家族以上  300万円以下

地方の場合、この基準より対象となる月収が低くなっています。
詳しくは日本司法支援センター(法テラス)のサイトをご覧ください。

  代理援助の場合の弁護士費用のめやす

労働審判
 着手金+実費  10万6400円〜14万9600円
            事案の性質上特に処理が困難なものの上限:18万2000円
 報酬金      原則:支払を受けた和解金等の額の10.8%
            勝訴的な審判や調停を受けたが回収できない場合
             6万4800円〜12万9600円(標準額は8万6400円)
 ※ 法テラスでは着手金と別に「実費」名目の費用が決められます。
    弁護士はそれで訴状に貼る印紙等以外の実費をまかないます。
    しかし、実費の支出の内訳報告や精算は予定されていません。
    その結果、依頼者側からは、着手金と同じ扱いになるので、「着手金+実費」で表示しています。
賃金仮払い等の仮処分
 着手金+実費  14万9600円〜21万4400円
 報酬金      原則:支払を受けた金額の10.8%
            勝訴的な決定や和解を受けたが回収できない場合
             6万4800円〜12万9600円(標準額は8万6400円)
通常の訴訟(労働事件でも別の種類の事件でも同じです)
 着手金+実費(実費は50万円未満が2万5000円、それ以外は3万5000円)
  請求額が 50万円未満              8万9800円
  請求額が 50万円以上100万円未満   13万2200円
  請求額が100万円以上200万円未満   16万4600円
  請求額が200万円以上300万円未満   19万7000円
  請求額が300万円以上500万円未満   21万8600円
  請求額が500万円以上1000万円未満  25万1000円
  請求額が1000万円以上            27万2600円
  事件の性質上特に処理が困難なものの上限:41万3000円
 報酬金      原則:支払を受けた金額の10%+消費税(要するに10.8%)
               支払を受けた額が3000万円を超える時は超えた部分は6%+消費税
            勝訴的な判決や和解を受けたが回収できない場合
             6万4800円〜12万9600円(標準額は8万6400円)
            被告事件で請求を排除したとき
             着手金の7割相当額+出廷1回あたり1万0800円
             ただし、出廷回数による加算額は請求排除額の10%を上限とする
自己破産
 債権者数1社〜10社   15万2600円
 債権者数11社〜20社  17万4200円
 債権者数21社以上    20万6600円
 事件の性質上特に処理が困難なものの上限:29万8657円

どの場合も事案の性質上困難な場合などに増額されることがあります。
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