◆短くわかる民事裁判◆
訴状の補正命令
訴状の不備があるとき、通常はまず書記官から補正の依頼(任意の補正の促し)があります(重大でない、訂正が容易な問題で、弁護士が作成した場合でもありがちなものを「訴状の補正:補正依頼書」で説明しています)。
不備が重大なもので、原告が書記官からの補正依頼に応じない場合、不備の内容によっては、裁判長から(裁判所と裁判長の仕分けが気になる方は「裁判長と裁判所」をお読みください)相当の期間を定めてそれまでに補正することを命じる補正命令が出されます(民事訴訟法第137条第1項)。
補正命令が出される訴状の不備は、当事者または法定代理人の記載の不備(民事訴訟法第134条第2項:2023年2月20日以前は第133条だったのですが…、第137条第1項前段)、請求の趣旨または請求の原因の記載の不備(民事訴訟法第134条第2項、第137条第1項前段)、訴え提起手数料の未納付(民事訴訟法第137条第1項後段)、被告への訴状送達不能(送達費用の未納付を含む)(民事訴訟法第138条第2項)のいずれかに限られます。
補正命令の段階では、即時抗告ができる規定はなく、「訴訟手続に関する申立てを却下した決定又は命令」(民事訴訟法第328条第1項:通常抗告の要件)にも当たらないので、これに対する不服申立てはできません(東京高裁1955年9月20日決定)。
補正命令に定めた期間内に原告が訴状の補正をしない場合、裁判長が命令で訴状を却下することになります(民事訴訟法第137条第2項)。
訴状却下命令については「訴状却下命令」で説明しています。
訴状却下命令を受けた原告は、命令の告知受けた日から1週間以内に即時抗告をすることができます。
訴状却下命令後に即時抗告をするなどして訴状却下命令確定前に補正した場合について「訴状却下命令に対する即時抗告後の補正」で説明しています。
※なお、訴訟救助申立てが一部だけ認容された場合にそれに合わせて請求を減縮したとき、補正命令通りに訴え手数料(差額)の納付をしなくても裁判所は手数料不納付を理由に訴訟却下できないことについて「訴訟救助の一部認容と請求の減縮」で説明しています。
口頭弁論を経ないでなされた(口頭弁論を経てなされることは想定されませんが)訴状却下命令が確定すると、訴え提起手数料の一部について還付を受けることができます。
訴え提起手数料の還付については、「手数料還付」で説明しています。
※訴え提起手数料不納付による訴状却下命令の場合も、訴え提起をした以上、手数料納付義務は生じていて、訴状却下命令が確定してもそれが免除されるわけではありません。
訴えの提起については「民事裁判の始まり」でも説明しています。
モバイル新館の「第1回口頭弁論まで」でも説明しています。
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