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【民事裁判という制度】
 私たちは、法律をはじめとするいろいろな決まりで、さまざまな権利を認められ、義務を課されています。また日常生活で多くの「契約」などの約束ごとをして、その中でも多くの権利や義務が定められています。
 こういった権利や義務は、多くの場合、自主的に実行されています。しかし、決まりを守らない人もいますし、守ろうとしても守れないこともままあります。その場合、権利があるのにそれが実現されない人と義務があるけど実行しない人の間でもめごと(紛争)が起こります。また、どちらにどういう権利があるのか自体について意見が食い違って争い(紛争)になることもあります。
 民事裁判(民事訴訟ともいいます)は、法律や約束で権利があるのに実現できていない人や紛争の当事者が、裁判所を利用して、その権利を実現したり、紛争を解決する制度です。

《裁判以外の制度との違い》
 現在では、紛争解決の手段としては、行政への申告とそれに基づく指導やさまざまな紛争解決機関の利用も考えられます。これらと裁判の違いは何でしょうか。
 裁判手続の特徴として、当事者(訴えた人、訴えられた人)に主張や証拠を出す機会が確保される、手続が原則として公開の場で行われる(傍聴が自由にできる)、判断に理由が示されるということが挙げられ、これが行政の場合との違いとされています。
 裁判以外の紛争解決手続では、通常、相手方が参加を拒否すると、解決できません。しかし、裁判は、相手方が拒否しても手続が進められ、判決が出されます。そして判決は、相手方が拒否しても、原則として、強制的に執行できます。
 このように、一定程度の公正な手続が保証され、結果の実現を強制できるという点が、民事裁判制度の特徴であり、利用者にとっての魅力となっています。

 
本当に強制できるのかい?

できないこともあるけど・・・それは「相手が判決に従わないとき」で説明します。

《刑事裁判との違い》
 裁判には、国が犯罪を犯した人を処罰するための「刑事裁判」という制度があります。一番広い意味では、刑事裁判以外の裁判はすべて「民事裁判」です。
 刑事裁判は、国の機関(警察や検察)が捜査をして、裁判を起こすべきと判断すれば開始されます。つまり、刑事裁判は、例えば被害者が何もしなくても、国の判断で始められます。
 しかし、民事裁判は、権利が実現されていないとか紛争を解決したいという人が「訴え」を提起しなければ開始されません。民事裁判は、国が積極的に紛争解決に動くのではなく、あくまでも市民が裁判所に解決を求めたときだけ行われるのです。その意味では、市民が権利の実現や紛争解決のために裁判所を使うというしくみです。市民が、国が設けている紛争解決サービスを利用するのだと考えた方がいいでしょう。

民事裁判では、市民はユーザーになれるんですよ。

《行政裁判》
 広い意味での民事裁判のうち、国や地方自治体などの行政(役所)が市民に対して行ったこと(行政処分)について、その取消などを求める裁判を特に「行政裁判(行政訴訟)」といいます。
 市民に比較的身近な例を考えると、労働関係の分野では、労働災害を受けてけがをしたり病気になったので労災申請をしたけれども不支給とされたとか、公務員が懲戒処分(免職や減給など)を受けたとか、それ以外の分野では運転免許の停止や取消を受けたとか、税金の課税に納得できないとかいうようなときが考えられます。
 行政裁判は、「処分」を受けた人が訴えるのが原則ですが、原発などの危険有害施設の許可については、周辺住民が訴えることも認められています。
 行政裁判は、普通の民事裁判とは違うさまざまな独特のルールがあるので、普通にいう民事裁判とは区別されるのが通常です。

原発なしで暮らしたい。その願いは行政裁判で?

民事裁判で運転差し止め請求もできます。福島原発事故後の原発裁判の多くは、民事裁判です。

《家事事件》
 家族間の身分関係に関する事件、市民に身近なものでいうと、離婚や相続などの事件は「家事事件」といわれ、これも広い意味では民事裁判です。しかし、裁判が他の民事事件と違って「家庭裁判所」で行われ、やはりさまざまな独特のルールがあるので、普通にいう民事裁判とは区別するのが通常です。

 民事裁判という場合、裁判のうち刑事裁判と行政裁判、家事事件を除いたものと考えることが多いです。
 このコーナーでは、原則として、この狭い意味での民事裁判を想定して説明をします。

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