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【弁護士費用が払えないとき】
 資産がなく収入が少ないために弁護士費用を支払えない人は、日本司法支援センター(法テラス)が弁護士費用を立て替える「代理援助」という制度を利用することができます。
 代理援助を利用すると、弁護士費用のうち事件を依頼するときに支払う「着手金(ちゃくしゅきん)」や実費を日本司法支援センターが立て替えて、依頼者は日本司法支援センターに月5000円とか1万円の分割払いをすることになります。本当に収入が少なくて生活保護を受けているような場合には、事件が解決するまで支払を猶予したり、事件が終了しても支払えない場合にはさらに支払を猶予したり免除するということもあります。
 代理援助を利用する場合、弁護士費用の総額自体も、通常の弁護士費用や弁護士会の法律相談センターの基準よりも低くなるのが普通です。日本司法支援センターの基準にも事件によって幅があり、審査委員の審査を経て決まりますので、予めいくらになるとは言えませんけど。
 事件終了によって相手方から支払を受けた場合には、その支払金から着手金の未払額と報酬金を差し引かれます。相手方から支払があった場合の報酬金については、支払を受けた額の10%+消費税が原則で、通常の民事裁判でいえば多くの弁護士の報酬とあまり変わらないところだと思います。

法テラスの代理援助はどれくらいお得なの?
着手金が安めで分割払いです。報酬金はあまり変わらないと思います。

《代理援助を受ける手続》
 代理援助を利用する方法は、司法支援センターの地方事務所(東京では、新宿、上野、立川、八王子など)の法律相談に行ってそこで担当した弁護士に事件を担当してもらうというパターンと、法テラスと契約している弁護士に相談してその弁護士に事件を依頼した上でその弁護士経由で司法支援センターの審査手続を行うパターン(司法支援センターの用語では「持ち込み事件」と呼んでいます)があります。
 どちらの場合も司法支援センターの審査手続で資力基準と「勝訴の見込みがないとはいえないこと」の要件を満たすと認められる必要があります。

《代理援助を受けられる資力基準》
 司法支援センターが決めている資力基準は、居住地によって若干違うようになっています。
 東京23区の場合(多摩地域も大部分は同じ)、世帯の人数に応じて、世帯収入(基本は本人と配偶者の手取り収入ですが、賞与や同居の他の家族の生活費拠出も考慮されます)が次の基準以下で特に資産がないときに代理援助を受けることができます。
・単身者は月収20万0200円以下 (家賃・住宅ローンがある場合5万3000円まで加算可)
・2人家族では月収27万6100円以下 (家賃・住宅ローンがある場合6万8000円まで加算可)
・3人家族では月収29万9200円以下 (家賃・住宅ローンがある場合8万5000円まで加算可)
・4人家族では月収32万8900円以下 (家賃・住宅ローンがある場合9万2000円まで加算可)
・5人家族では月収36万1900円以下 (家賃・住宅ローンがある場合9万2000円まで加算可)
 「特に資産がない」の判断では、本人と配偶者(妻、夫)の預貯金等を合算して次の金額以下ということが基準になります。
 単身者      180万円以下
 2人家族     250万円以下
 3人家族     270万円以下
 4人家族以上  300万円以下

《代理援助の弁護士報酬の目安》
 着手金、報酬金それぞれに、審査の手続で事件ごとに決められますが、目安となる基準は次のようになっています。司法支援センターでは着手金と別に「実費」が定められますが、これは裁判所に納める印紙以外の雑多な実費を定額できめるもので実額との精算は予定されていません。
 通常の民事裁判では着手金+実費は、
・請求額50万円未満が着手金6万6000円+実費2万5000円
・請求額50万円以上100万円未満が着手金9万9000円+実費3万5000円
・請求額100万円以上200万円未満が着手金13万2000円+実費3万5000円
・請求額200万円以上300万円未満が着手金16万5000円+実費3万5000円
・請求額300万円以上500万円未満が着手金18万7000円+実費3万5000円
・請求額が500万円以上1000万円未満が着手金22万円+実費3万5000円
・請求額1000万円以上が着手金 24万2000円+実費3万5000円
 通常の民事裁判の報酬金は原則として支払を受けた金額の10%+消費税です。
しかし、勝訴的な判決や和解を受けたが回収できない場合は6万6000円〜13万2000円(標準額は8万8000円)とされています。また被告事件で請求を排除したときは着手金の7割相当額+出廷1回あたり1万1000円(ただし出廷回数による加算額は請求排除額の10%を上限とする)とされています。

相手から支払を受けられなくても報酬が発生するのかい
普通の弁護士は取らないことが多いと思いますがね。逆に被告事件の報酬金は安すぎると弁護士の間では不評です。

 賃金仮払い等の仮処分を行う場合、着手金+実費は15万2000円〜21万8000円、報酬金は原則は支払を受けた金額の10%+消費税ですが勝訴的な決定や和解を受けたが回収できない場合は6万6000円〜13万2000円(標準額は8万8000円)とされています。
 労働審判は、着手金+実費が10万8000円〜15万2000円、報酬金が 原則は支払を受けた和解金等の額の10%+消費税で勝訴的な審判や調停を受けたが回収できない場合は6万8000円〜13万2000円(標準額は8万8000円)とされています。
 自己破産申立は、債権者数1社〜10社の場合15万5000円、債権者数11社〜20社の場合17万7000円、債権者数21社以上の場合21万円とされています。


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