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    ◆行政裁判の話
  原子力施設が運転するまでの行政処分
    (裁判の形と裁判で審理の対象となる範囲)

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  原子力発電所の場合

 放射線による災害を防止する観点での手続の主要なものだけでも次の通りです。これまで制度が何度か変わっています。
 最初に原子力規制委員会の「原子炉設置許可」(原子炉等規制法第43条の3の5)を受けます。
 この原子炉設置許可処分の対象は、裁判所の判例上、立地と「基本設計」ないし「基本的設計方針」であるとされています。
 原子炉設置許可が出たら、次は原子力規制委員会の「工事計画認可」を受けます(原子炉等規制法第43条の3の9)。
 工事計画認可では「詳細設計」が審査されるとされています。
 その後、建設の過程で、燃料体検査(原子炉等規制法第43条の3の12)、溶接安全管理検査(原子炉等規制法第43条の3の13)、使用前検査(原子炉等規制法第43条の3の11)を受け、保安規定認可(原子炉等規制法第43条の3の24)を受けます。
 原子力発電所についての行政訴訟は、これまですべて原子炉設置許可処分(またはその変更処分)について行われてきました。原子炉設置許可処分が一連の手続で最初のものである上に、福島原発事故前の体制では唯一専門家である原子力安全委員会の安全審査がなされる、安全確保のための重要な処分だったからです(原子力規制委員会発足後も、公開審査で行われる適合性審査はおそらく原子炉設置許可処分とその変更処分のみで、工事計画認可以降は以前と同様の行政官による密室での手続になると予想されます)。これに対して国側は、裁判上、原子炉設置許可の審査対象は「基本設計」ないし「基本的設計方針」に限られ、他の処分の対象となる事項は原子炉設置許可処分の取消訴訟では審理の対象とならないと主張しています。残念なことに、裁判所もそれを受け入れてしまっています。

  核燃料サイクル施設の場合(例えば再処理工場の場合)

 最初に原子力規制委員会の「事業指定」を受けます(原子炉等規制法第44条)(再処理工場ではなくウラン濃縮工場や核燃料加工工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵施設、低レベル放射性廃棄物処分場の場合「事業許可」です)。
 事業指定が出たら、「詳細設計」については原子力規制委員会の「設計及び工事方法の認可」を受けます(原子炉等規制法第45条)。
 その後、建設の過程で溶接方法認可(原子炉等規制法第46条の2第2項)、溶接検査(原子炉等規制法第46条の2第1項)、使用前検査(原子炉等規制法第46条)、保安規定認可(原子炉等規制法第50条)を受けます。
 核燃料サイクル施設についても、行政訴訟は、冒頭の事業許可・事業指定処分について行われ、原子力発電所の場合と同じ議論がなされています。

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