庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
福島原発の炉心はどうなっているのか
 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から1か月が過ぎ、マスコミは福島原発事故の収束に時間がかかることを報じつつも、爆発等の危機は何となく過ぎたかのようなニュアンスで報道しています。
 しかし、外部電源が復旧し、中央操作室の照明が点灯したと報道された後も、原子炉の中の状態は把握されていませんし、原子炉のデータも十分には発表されていません。原子炉の中がどうなっているのか、炉心はどの程度溶け、現在どのような状態か、そして注水した水は圧力容器の中でどの程度たまっているのか、どこに消えているのか、実は誰もわかっていないというのが現状だと思います。
 いたずらに危機感を煽りたくはないのですが、現在何が発表され、そこから何がわかり何がわからないかを、具体的に整理して、どう考えるべきなのか、マスコミの報道を鵜呑みにしてよいのかを検討する素材を提供したいと思います。

原子炉データの発表状況
 現在、福島第一原発の原子炉に関するデータは、東京電力のサイト、官邸のサイト、原子力安全・保安院のサイトで入手することができます。
 官邸のサイトでは当初は1日数回、最近では1日1回更新される「平成23年(2011年)福島第一・第二原子力発電所事故について」という発表(こちらから最新版のみ入手可能でしたが、いまでは見当たりません)の本文の後の「別添1」で、3月21日以降は、3月11日から直近までの「原子炉水位」「原子炉圧力」「格納容器(ドライウェル)圧力」の3項目のデータを掲載しています。
 保安院のサイトでは、1日2回か3回程度(最近では1日1回か2回)更新される、「地震被害情報第○○報」(こちらからアーカイブも含めて入手可能)の「プラント関連パラメータ」という文書(時々文書名が変わりますし、最初のころはついていないこともありましたが)で、3月16日以降は最新の「注水状況」「原子炉水位」「原子炉圧力」「格納容器(ドライウェルD/W)圧力」「サプレッションチェンバー(S/C)圧力」「格納容器雰囲気モニタ(CAMS)による放射線量率」等のデータを掲載し、3月22日からはこれに「原子炉圧力容器温度」を追加しています。(「地震被害情報第○○報」の文書の中にも「主なプラントパラメータ」という表が入っていますが、こちらは項目が少なくなっています)
 これと別に東京電力は、以前はサイトではデータは何一つ公表せず、記者会見の場で3月13日以降の「原子炉水位」「原子炉圧力」「格納容器(ドライウェル)圧力」「サプレッションチェンバー圧力」、3月19日以降の「圧力容器温度」(給水ノズル温度、RPVボトム温度)を一覧表にして記者に見せたり配布したりしていました。



 東京電力は3月11日午後7時30分以降の「原子炉水位」「原子炉圧力」「格納容器(ドライウェル)圧力」「サプレッションチェンバー圧力」のデータは記者会見でも公表することなくNHKの記者には渡していましたが、4月8日朝のNHKニュースでそのことを暴露され、慌てて4月8日マスコミに3月11日午後7時30分から3月13日午前7時30分までの「原子炉水位」「原子炉圧力」「格納容器(ドライウェル)圧力」の一覧表を配布しました。

 さらに東京電力は、3月16日以降の数値だけが保安院発表で出されていた格納容器雰囲気モニタ(CAMS)による格納容器内の放射線量率のデータについて、それ以前のデータを元に炉心の損傷状況を試算したという発表をしたことから、4月9日になり、3月14日からの格納容器内の放射線量率のデータをマスコミに配布するようになりました。

 このような東京電力のデータの出し方を見ていると、東京電力は本当はまだいろいろなデータを隠しているのではないかと疑わざるを得ませんでした。
 そして原子力安全・保安院が4月14日に、3号機の圧力容器温度が上昇していると記者会見で発表し、その際温度上昇しているか所は圧力容器のフランジ部だと説明したことから、圧力容器温度の測定箇所が東京電力の発表していた給水ノズルと圧力容器下部以外にもあることが判明し、東京電力が温度データをやはり隠していたことが明らかになりました。その批判を受けたためか、東京電力は、4月18日になって東京電力のサイトで各号機ごとの原子炉水位、圧力、放射線量率、温度に関するデータを過去に遡って掲載しました(こちらからアーカイブも含めて入手可能)。
 東京電力が4月18日になって公表したパラメータは、原子炉水位2系統、原子炉圧力2系統、ドライウェル圧力、サプレッションチェンバー圧力は従前通りでしたが、放射線量率はドライウェル、サプレッションチェンバーとも2系統に2号機、3号機では中央操作室も加わり、温度データに至っては、号機によって測定ポイントが違いますが、1号機で言えば、圧力容器フランジ2系統、給水ノズル4系統、圧力容器中央部、圧力容器下部、制御棒駆動機構ハウジング上部、制御棒駆動機構ハウジング下部、安全弁排気部3系統、逃がし安全弁排気部4系統、ドライウェル空調ユニット戻り空気(格納容器中央部)、PRVベローシール(格納容器上部)サプレッションチェンバー水温2系統の21ポイントにも及んでいます(2号機、3号機は12ポイント)。東京電力は原子炉内の状況を推定するために最も重要と考えられる温度データについて、これまで21ポイントのうち2ポイントのデータだけしか公表せずに隠し持っていたのです。

 このような経緯からすると東京電力は、きっとまだ相当なデータを隠し持っていると思います。項目としては発表対象となったものでもすべてのデータを公表しているとは限りません。例えば3月11日の1号機の原子炉水位・圧力についてのデータを見ても、19:30、19:37、20:00、20:30、21:00はすべての項目が空白です。何故何のデータもない時刻が記載されているのでしょうか。時刻が記載されている以上何かのデータが取られたはずです。本当は、少なくともこのうちどれかの項目のデータがあるのに隠されていると考えざるを得ません。

 東京電力は、まだ相当な量のデータを持っているけれども、都合が悪いためか、何らかの思惑で隠し持っていると考えられます。

 これらのデータは、官邸のデータは誰でも入手できるが項目が少ない(いかにもお役所らしく、発表項目をいったん「原子炉水位」「原子炉圧力」「格納容器(ドライウェル)圧力」と決めたら、その後圧力容器温度等が発表されるようになっても追加しない)、保安院のデータは誰でも入手できて項目が網羅的だが発表回数が少ないという問題点があります。
 特にこのデータの測定頻度の違いは決定的です。例えば、3月15日、16日、17日の原子炉水位や原子炉圧力等のデータの頻度を見ると、官邸発表では3月15日が4回、16日が4回、17日が3回ですが、東京電力の会見資料では3月15日12回、16日7回、17日6回のデータが出ています。ちなみに保安院の発表はこの間、15日が2回、16日が1回、17日が3回です。

(官邸発表:1号機分)


(東京電力会見資料:1号機、2号機、3号機分)

 ちなみに、東京電力が4月18日になって遡って公表したデータでは、それまでにマスコミに出していた資料とデータの頻度も大きく変わっています。3月15日、16日、17日で見ると、水位・圧力についてのデータは1号機は15日が8回、16日が9回、17日が7回、2号機は15日が34回、16日が12回、17日が8回、3号機は15日が28回、16日が11回、17日が28回となっています。やはり多くのデータがこれまではマスコミにも隠されていて、他方一部には前は公表していたのに削られたデータもあります。

 東京電力が測定データを官邸や保安院にさえ提供せずにいるのか、官邸や保安院がデータの提供を受けても全部は発表しないのかはわかりませんが、こういうデータはきちんと発表して欲しいものです。
 そして、この測定データの頻度は最近ではむしろ落ちてきている感じがします。中央操作室に外部電源が供給されるようになった以上、地震や津波の影響のために機器の操作がすぐにできないとしても、データは連続的に取れるはずだと思うのですが、今でも1日数回程度の頻度の測定データしか発表されていません。中央操作室に外部電源が回復したというのは、ただ照明が点いて明るくなったというだけだというのでしょうか。

発表されたデータの信用性
 発表されているデータでは、原子炉水位は3月18日あたりからどの原子炉でもほとんど変わっておらず、どの原子炉でも燃料の下半分が水に浸かり、上半分が露出しているということになっています。このデータは、一方で原子炉に注水が続いているのに水位の変化がほとんど見られないということから早くから怪しまれていました。その疑問は、東京電力が圧力容器温度を発表するようになって決定的なものになりました。東京電力が発表した圧力容器温度データで、1号機では発表の最初のデータである3月20日から3月23日まで給水ノズル温度もRPVボトム(圧力容器下部)温度もどちらも300℃以上でしたし、3号機でも発表の最初のデ−タである3月19日朝から3月20日朝にかけて同様でした。その間の原子炉圧力は1号機、3号機とも3気圧程度でしたから水の沸点は130℃程度ですし、仮に原子炉圧力データを信用しないとしても、水の沸点が300℃になる圧力は87気圧です。注水に用いているポンプの能力から考えて注水が入っている以上は圧力容器の圧力は数気圧レベルにとどまっているはずで、87気圧にもなっているということはとても考えられません。そうすると、特に圧力容器底部の、それも外側から測った温度が300℃ということなら、圧力容器の底には水がなかったと考えられます。つまり、少なくともこの期間は原子炉水位は炉心のずっと下で燃料は全部露出していたと考えるべきです。それにもかかわらず、その間も燃料の下半分は水に浸かっていたという数値を示し続けた原子炉水位計のデータは、まったく当てにならないと見るべきでしょう。
 もちろん、圧力容器温度の方が誤りという可能性もあります。しかし、圧力容器温度は圧力容器の外側にある熱電対によって測定していることから水位計よりは壊れている可能性は低いと考えられること、それなりに合理的な推移をしているように見えることから、現時点での判断としては、圧力容器温度をベースに考えるのが現実的と、私は判断しています。
 なお、原子炉圧力については、1号機と3号機では、2か所の圧力計のデータに大きな差があること(特に1号機では3月の終わりころからその開きが次第に大きくなってきています)、3号機ではその1つが大気圧以下の数値が続いていること、2号機では2か所の圧力計のデータはほぼ一致していますがそれが大気圧以下の状態が続いていることから、今ひとつ信頼が置けないように思えます。
 4月6日、東京電力は、これまで発表していた1号機と3号機の原子炉圧力のデータが誤っていたとして、マスコミに正誤表を配布しました。

誤りの原因については、圧力計の数値を換算する際の係数がそれぞれの原子炉ごとに違うのを見過ごして1号機と3号機のデータも2号機の係数を用いて換算していたためと発表されました。この数値の違いが原子炉の状態の分析の上で何か決定的な影響を与えるほどのものではありませんが、東京電力や行政が発表するデータが信頼に値するものだとは言えないことが、ますます明らかになりました。

圧力容器温度と注水状況から見た原子炉の状況
 さて、圧力容器温度と注水状況からそれぞれの原子炉の状況について考えていきましょう。
 1号機については、3月23日以降、給水系からの注水に切り替えられています。これは、給水管に仮設電動ポンプをつないで注水をしているもので、注水は、給水管から原子炉圧力容器に入っています。
 図の左側の給水ノズルから圧力容器に入った注水は、「給水スパージャ」を通って、炉心を覆っている円筒形の金属製の炉心シュラウドの外側や圧力容器に噴射されることになります。給水スパージャから炉心シュラウドに噴射された水は、一部は高温になっている炉心シュラウドに加熱されて気化して圧力容器上部へ移行して主蒸気管から圧力容器外へと放出され、残りは圧力容器と炉心シュラウドの間の円環状の空間(ダウンカマー部)に注がれることになります。このように給水ノズルから入った注水は、直接炉心に入ることはできず、まずは圧力容器と炉心シュラウドの間にたまります。
 ダウンカマー部の水は通常運転中は再循環水出口ノズルから再循環系に入って再循環ポンプで再循環水入口ノズルに押し出されジェットポンプ入口でダウンカマー部にたまっている水も引き込んでジェットポンプ(ただの管で駆動部分はありませんが)を通って圧力容器下部に入ります。ダウンカマー部と圧力容器下部の間にはバッフル板がありますので、再循環系やジェットポンプを通らないとダウンカマー部の水は圧力容器下部に入ることはできません。現在、再循環ポンプは停止していますので、再循環系への吸い込みがなく、注水の多くは、再循環系を通らずにジェットポンプ入口から圧力容器下部に注がれているものと思われます。
 さて、問題は、注水が圧力容器下部に達した後どうなっているか、炉心シュラウド内でどれくらいの水位に達しているかです。
 1号機の圧力容器温度は、4月2日現在、給水ノズル温度が260℃程度、圧力容器下部温度が120℃程度と発表されています。その後給水ノズル温度は低下し一時は210℃台まで下がったと発表されていましたが、4月8日午後1時現在ではまた246.6℃まで上がっていると発表されています(ただし4月8日午前6時現在発表(データ確認は午前0時)で260.7℃に上昇した後、4月8日午前8時現在発表以降は「調査中」とされています。これと並行して格納容器内の放射線量率も4月4日夕方以降概ね1時間あたり31Sv程度で推移してきたものが4月8日午前6時現在発表(データ確認は午前0時)で1時間あたり100Svに上昇し、その後4月8日午前8時現在発表以降は「計器不良」とされています。このような経緯を見ると、1号機で4月8日未明に何か大きな異常が起こった可能性があります。この点は、現時点では確からしいことは言えませんので、置いておきます)。
 楽観的な方向でこの温度を読むと、原子炉圧力が4気圧ないし6気圧と発表されている(ただし、2つの圧力計の数値が次第に開いてきていてこの数値の信用性は失われてきているように思えます)ことから沸点が150℃前後で圧力容器外側の方が温度が低くなるとしても圧力容器底部で外側が120℃程度なら内側も150℃未満で内側には水がたまっている、給水ノズルはダウンカマー部でその高さには水がないことは明らかだけれども、以前よりだいぶ温度が下がっているのだから注水が功を奏して炉心の温度も下がってきているという評価の余地があります。
 しかし、厳しい方向で読めば、給水ノズル温度は、炉心の高温になった燃料からの放射熱がまず炉心シュラウドを加熱し、その炉心シュラウドの熱がダウンカマー部の空間越しに圧力容器を加熱して上昇するのだけれども、注水が直接に炉心シュラウドや圧力容器に噴射され、その後も炉心シュラウドから流れ落ちてダウンカマー部にたまる間に炉心シュラウドと圧力容器を冷却するために、炉心の温度上昇と関係なく炉心シュラウドと圧力容器が冷却されている故に給水ノズル温度が下がっているとも考えられます。そして、圧力容器下部温度の低下も、しょせん圧力容器下部に水がある程度たまっていることを示すに過ぎず、それが炉心の高さまで届いている保証は全くありませんし、ましてや一部でいわれているように燃料の一部がすでに溶け落ちて(長期間炉心の燃料が露出していたのだからそういうことは十分にあり得ます)圧力容器底部を加熱して圧力容器底部に穴が開いてそこから注水が漏洩しているとすれば、その漏洩のために圧力容器下部が冷却されて圧力容器下部温度が圧力容器全体以上に下がっている可能性さえあります。
 つまり、現在発表されているデータからは、炉心は一部損傷したけれども現在は冷却がある程度功を奏して事態は収束に向かっている、もちろん現在のような不安定な冷却ではなく継続した安定的な冷却を図るまで気は抜けないけれども危機的な状態ではないという楽観的な読みも、現在も炉心はなおむき出しで炉心自体はほとんど冷却されずに温度上昇が続いている、いつ圧力容器底部にたまった水に大量の燃料が溶け落ちで水蒸気爆発を起こすかまったくわからないという悲観的な読みも、いずれも可能な状態だと、私は思っています。どちらが正しいと断言するにはあまりにも材料不足だと思うのです。

 2号機と3号機については、注水の経路が違うので、別の図(といってもほとんど同じに見えますが)で説明します。
 2号機と3号機の注水は4月12日現在、消火ラインを通じて行われています。この場合、注水は、東京電力の説明によれば、再循環水入口ノズルから原子炉圧力容器に入るそうです。再循環系のポンプと主配管はすべて格納容器内にありますが、再循環系配管には残留熱除去系の停止時冷却モードのために再循環系配管から冷却水を残留熱除去系の熱交換器に導いて冷却して再循環系配管に戻す系統がありますし、冷却材浄化系でも再循環系配管から例から冷却水を導いて戻したりすることがありますので、そういう配管に仮設電動ポンプをつないで注水しているということだろうと思います。
 注水が再循環水入口ノズルから圧力容器に入るということだと、注水はダウンカマー部にはたまらず、直接ジェットポンプ入口に導かれ、ジェットポンプ入口から圧力容器下部に入ることになります。そうすると、ダウンカマー部にはたぶん注水はないだろうということになります。もっとも、炉心が注水でいっぱいになれば炉心シュラウドからダウンカマー部にあふれ出すことになるでしょうし、炉心を通って上部に排出された蒸気の一部が汽水分離器で水になってダウンカマー部に落ちてくるということもあり得ないわけではありません。その場合、ダウンカマー部は1号機と同じ状態にもなり得るわけですが。
 2号機では、4月2日現在、給水ノズルでの圧力容器温度は150℃台と発表されています。この温度はその後いったん140℃台に低下したと発表されていましたが、4月11日に150℃台に上昇し、4月12日午前6時現在では165.8℃と発表されています。この温度自体は、それほど危機的には見えませんし、ダウンカマー部に水がないことを前提にすれば炉心温度と関係なく給水ノズル温度が低くなっている可能性も低いので特に危険だと考える必要はないように思えます。しかし、2号機では、東京電力が圧力容器温度を発表し始めてから3月26日までは給水ノズル温度も圧力容器下部温度もともに100℃程度で安定していたのに、3月26日夜から圧力容器温度が次第に上昇して行きました。その後、給水ノズル温度は3月31日をピークに低下方向に転じてはいますが今も十分に下がったとはいえませんし、4月12日になって上昇していることも気がかりです。圧力容器下部温度は3月30日以降計器不良でわからなくなってしまいました。そして、4月12日になって、それまで「計器不良」として発表されなくなっていた圧力容器下部温度は、突然午前6時現在で「調査中」とされていますが208.1℃と発表されました。その意味で、なお注視する必要がありそうです。
 3号機では、4月2日現在、圧力容器下部温度は110℃台と発表されています。4月12日現在でも同様です。しかし、こちらも、先ほどお話しした通り、3月20日まで給水ノズル温度も圧力容器下部温度も300℃以上になり、少なくともその間圧力容器内には水がなく燃料が全露出していたと考えられます。その後、3月21日には給水ノズル温度も圧力容器下部温度も200℃未満になりましたが、給水ノズル温度はその後「不明」とされて発表されなくなった後3月23日にはまた300℃に達し、その後突然100℃未満の数字が記載された上で「調査中」とされ(保安院発表)、東京電力の発表では「調査中」として数値も書かれていません。そうすると、給水ノズル温度は今どうなっているかわからないということで、3号機ではこれが度々300℃を超えていることを考えると、実はずいぶんと高い温度になっているのかも知れません。
 もちろん、2号機、3号機についても、現在はそれなりに炉心での水位が上がっていて冷却が進んでいるという可能性もありますし、私だってそうであることを期待したいところです。しかし、やはり、現在発表されているデータで、事態が収束に向かっているという楽観的な見通しを語るのには、私はあまりにも材料不足だと、考えてしまいます。

(2011年4月2日記、4月3日更新、4月7日更新、4月8日更新、4月9日更新、4月12日更新、4月19日更新)

 すみません。最近の状況をフォローできていません。いずれ更新しようとは思うのですが、今はこの問題より、全交流電源喪失の原因問題の方に力を入れています。↓
 福島原発全交流電源喪失は津波が原因か

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