◆短くわかる民事裁判◆
上告理由書の提出:高裁への上告
上告理由書は、書面の宛先は上告裁判所(高等裁判所)ですが、提出先は原裁判所(地方裁判所)です(民事訴訟法第315条第1項)。上告状は原裁判所(地方裁判所)の民事受付に提出しますが、上告理由書は民事受付ではなく担当部に提出します。
上告理由書はファクシミリでは提出できません(民事訴訟規則第3条第1項第5号)。したがって、地裁の担当部に持参して提出するか、郵送して提出することになります。
安全のために(「上告理由書提出日の誤認による上告却下」で紹介しているような事態を招かないためにも)、持参して提出する場合は、提出時に上告理由書の写しに受付印をもらい、郵送の場合は追跡サービスができる方法(レターパック、簡易書留等)を選択し、配達完了が表示された追跡画面をプリントアウトしておく(さらに担当部に電話を入れて届いたことを確認する)とよいと思います(私は、最高裁への上告の場合はそうしています:高裁への上告は原審が東京地裁の事件しか受けたことがないので、郵送の経験はなく、すべて持参して提出です)。
※上告理由書が提出期限に間に合わないとそれだけで上告却下になります(上告状の場合と違って、責めに帰することができない事由により期限を守れなかった場合でさえ救済されない危険があります:「上告理由書・上告受理申立て理由書の提出期限」で説明しています)ので、私は、最高裁への上告では、郵送で提出する場合(東京高裁以外の場合)は、提出期限の3日以上前にレターパックかゆうパックで発送し、追跡サービスで確認しながら、万が一間に合わない場合には持参して提出できるように提出期限当日の予定を空けておくようにしています。
高裁への上告の場合、上告理由書は正本1通と、被上告人の数に4を加えた数の副本(被上告人が1名なら5通)を提出します(民事訴訟規則第195条)。正本、副本は押印が必要ですので、被上告人が1名の場合、押印をした上告理由書6通(正本1通と副本5通)と押印しない(してもいいですが)自分用の写し(控え)1通の7通は作成する必要があります。持参する場合は、その自分用の写しも持って行って、それに受付印を押してもらうことになります。
上告については「まだ最高裁がある?(民事編)」でも説明しています。
モバイル新館の「最高裁への上告(民事裁判)」、
「高裁への上告(民事裁判)」でも説明しています。
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