◆短くわかる民事裁判◆
記録到着通知書:高裁
高等裁判所への上告をして、期限内に原裁判所(地裁の控訴審担当部)に上告理由書を提出すると、上告理由が上告理由書に記載されていないとか、記載方式に違反しているなどとして却下されない限りは、原裁判所(地裁)から上告裁判所(高裁)に事件記録が送付されます(民事訴訟規則第197条)。
理由書の提出から高裁への事件記録送付までは、概ね1か月程度であることが多いと思います(高裁への上告はそれほど経験していませんが、私が経験した限りではそれくらい)。
事件記録が高裁に到着すると、高裁の受付で事件番号を振ります。事件記録符号は(ツ)です。
高裁への上告事件の担当部は、それぞれの高裁の事件配点の定めによりますが、東京高裁の場合、民事長官代行(民事部代表常置委員)が所属する部に全件集中して配点されることになっています(大阪高裁も同様らしい)。代表常置委員は必ずしも公表されていません。山中理司弁護士が頻繁に調査して公表しており(こちら)、それによれば2025年7月15日から同年12月までは第5民事部であったようですが、木納敏和裁判官の定年退官により、次に誰になっているかは不明状態のようです。
高裁に事件記録が到着すると、高裁の担当部の裁判所書記官は、速やかに、事件当事者(上告人、被上告人)に記録到着を通知することになっています(民事訴訟規則第197条第3項)。私が経験した限りでは、東京高裁は少なくとも弁護士にはファクシミリで送信してきます。
この記録到着通知に、事件番号と担当部係が記載されています。裁判長や主任裁判官の名前は記載されません。知りたければ担当部に電話して聞くということになります。
記録到着通知書が来ると、高裁の審理が始まったことがわかります。
高裁が上告を棄却する場合は、予告なく一方的に「判決言渡期日通知書」を送ってきます(私の経験上、少なくとも弁護士にはファクシミリで送信してきます)。上告審でも、最高裁と異なり、高裁は決定で上告棄却することはできず、判決で上告を棄却します(民事訴訟法第319条。最高裁のみ決定で上告棄却できることは民事訴訟法第317条第2項)ので、必ず判決言渡期日が開かれ、それは事前に通知されます(民事訴訟規則第156条)。ただし、当事者の出席は要しない(民事訴訟法第251条第2項)ので、都合は聞いてくれず、裁判所の都合だけで期日を決めるのです。
高裁が控訴審(地裁)判決を見直す場合には、少なくとも上告人に弁護士が代理人についている事件では、高裁の書記官から代理人宛に、口頭弁論を開くことになったという電話があり、その後期日調整が行われます。
上告については「まだ最高裁がある?(民事編)」でも説明しています。
モバイル新館の「最高裁への上告(民事裁判)」、
「高裁への上告(民事裁判)」でも説明しています。
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