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短くわかる民事裁判◆
上告期間・上告受理申立期間(原則)
 上告、上告受理申立ては、判決書正本(または判決に代わる調書の謄本:調書判決の場合)の送達(裁判所に取りに行けばその場で受け取れます。取りに行かない限りは、特別送達で郵送されてきます)を受けた日から2週間(民事訴訟法第313条、第285条本文、第318条第5項。判決の送達を受けた日の翌日から数えて2週間:結局送達を受けた日の翌々週の同じ曜日。ただしその期間の末日が土日祝日あるいは12月29日から1月3日までの年末年始期間の場合、次の平日まで:民事訴訟法第97条第3項)以内に原裁判所(原判決をした裁判所)の民事受付に上告状、上告受理申立書(多くの場合、上告状兼上告受理申立書)を提出して行う必要があります(民事訴訟法第314条第1項、第318条第5項)。
※代理人(弁護士)がついている場合、判決正本は通常は代理人に送達され、上告期間・上告受理申立期間は代理人への判決正本の送達日を基準にカウントします。本人が代理人から受け取った日ではありません。もっとも、代理人がついていても代理人が判決正本を受け取る前に本人が裁判所に行って判決正本を受け取ってしまった場合は、代理人には判決正本が送達されないことになります。そういう場合は、当然、本人が判決正本を受け取った日を基準にカウントします。代理人が受け取った人本人が受け取った日が違う場合は、早い方の日と考えてください。
※上告期間・上告受理申立期間(起算点となる判決正本の受送達日、期間の末日)に疑義があるときは、裁判所(原判決をした担当部)の書記官に問い合わせましょう。
※上告期間・上告受理申立期間の例外として、人身保護請求事件での第1審判決に対する最高裁への上告・上告受理申立ては、判決言い渡しの日から3日以内とされています(人身保護規則第41条第1項)。

 上告状、上告受理申立書、上告状兼上告受理申立書は、ファクシミリでは提出できません(民事訴訟規則第3条第1項第1号:民事訴訟費用法の規定により手数料を納付しなければならない申立てに係る書面になるので。1997年度書記官実務研究報告書「新民事訴訟法における書記官事務の研究(U)」9ページ)。
 したがって、原裁判所の民事受付に持参して提出するか、郵送する必要があります。郵送の場合、昨今の郵便事情を考えれば、普通郵便は避けるべきでしょう。遠方であれば、相当程度の余裕を持って、レターパックなどの郵便追跡サービスのある郵便で、配達状況を確認し、もし事故等がありそうなら(追跡で間に合わなそうだったら)最終期限当日には持参も可能にしておくというのが確実な方法だと思います(私ならそうします)。

 上告期間・上告受理申立期間については、ここで述べた原則に対して、遠隔地居住者について裁判所が定めることができる付加期間(民事訴訟法第96条第2項)、責めに帰することができない事由により控訴期間を守れなかった場合の訴訟行為の追完(民事訴訟法第97条)等の例外があります。
 訴訟行為の追完については、「上告期間・上告受理申立期間(例外):訴訟行為の追完」等のページで説明しています。

 上告については「まだ最高裁がある?(民事編)」でも説明しています。
 モバイル新館のもばいる 「最高裁への上告(民事裁判)」もばいる「高裁への上告(民事裁判)」でも説明しています。

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