◆短くわかる民事裁判◆
上告提起手数料・上告受理申立て手数料
上告提起手数料または上告受理申立て手数料は、不服申立ての限度で算定した訴訟の目的の価額(訴訟物の価額:そしょうぶつのかがく ともいいます)に応じて(「訴訟物の価額の算定基準について」:いわゆる訴額通知の備考(1))、次のように定められています(民事訴訟費用法第3条第1項、別表第1 3の項及び4の項)。
●上告の提起または上告受理の申立てについては、第1審の訴え提起手数料の2倍の額
●請求について判断をしなかつた判決に対する上告の提起または上告受理の申立て(却下判決に対する控訴)は、通常の上告提起手数料の2分の1の額
※控訴審判決では、「請求について判断をしなかった判決」として、訴えを却下した第1審判決に対する控訴を棄却した判決、第1審が請求について判断した本案判決であれ訴えを却下した訴訟判決であれ控訴を不適法として却下した判決があり得ます(「本案判決とは」のページで説明しています)。さらには、1999年度書記官実務研究報告書「民事上訴審の手続と書記官事務の研究」2019年補訂版232ページによれば、第1審判決を取り消して第1審に差し戻す判決も、この請求について判断をしなかった判決に当たるとされています。
●1つの判決に対して上告の提起と上告受理の申立てをともにした場合は、その主張する利益が共通であるときはその限度で一方について納めた手数料は他の一方についても納めたものとみなす→基本的に片方の分だけでよい。「その主張する利益が共通であるときは、その限度において」の趣旨は、明確に説明する文献を発見できていませんが、上告と上告受理申立てで不服の範囲が違う場合は大きい方の額という趣旨と考えられます。
規定は上のようなものですが、通常の上告提起手数料または上告受理申立て手数料(ともにする場合は両方合わせてこの金額)を第1審の訴え提起手数料の計算とパラレルに示すと
(請求について判断をしなかった判決に対する上告提起・上告受理申立て手数料はこの2分の1:「請求について判断をしなかった判決に対する上告等の手数料」で計算方法と早見表を示しています)
訴訟の目的の価額100万円までの部分:10万円毎に2000円(2%、ただし2000円刻み)
訴訟の目的の価額100万円から500万円までの部分:20万円毎に2000円(1%、ただし2000円刻み)
訴訟の目的の価額500万円から1000万円までの部分:50万円毎に4000円(0.8%、ただし4000円刻み)
訴訟の目的の価額1000万円から10億円までの部分:100万円毎に6000円(0.6%、ただし6000円刻み)
この上もありますけど庶民には縁がないですね・・・
実際には、下の(↓)ような早見表を用います。
これを訴訟の目的の価額(金銭請求なら請求額)まで積み上げていきます。
上の割合で計算すると割合が変わる境目の100万円の請求は2万円、500万円の請求は6万円、1000万円の請求は10万円になります。
例えば630万円分について不服申立て(上告・上告受理申立て)をするとすれば500万円までが6万円であと50万円(4000円)が3回分(最後は端数が30万円ありますが50万円1回分にカウントされます)ですから6万円+4000円×3で7万2000円です。
なお、金銭評価できない請求は160万円とみなします(それだけなら手数料2万6000円:民事訴訟費用法第4条第2項)。
訴訟の目的の価額 手数料額 訴訟の目的の価額 手数料額 1円~ 10万円 2,000円 2000万0001円~2100万円 166,000円 10万0001円~ 20万円 4,000円 2100万0001円~2200万円 172,000円 20万0001円~ 30万円 6,000円 2200万0001円~2300万円 178,000円 30万0001円~ 40万円 8,000円 2300万0001円~2400万円 184,000円 40万0001円~ 50万円 10,000円 2400万0001円~2500万円 190,000円 50万0001円~ 60万円 12,000円 2500万0001円~2600万円 196,000円 60万0001円~ 70万円 14,000円 2600万0001円~2700万円 202,000円 70万0001円~ 80万円 16,000円 2700万0001円~2800万円 208,000円 80万0001円~ 90万円 18,000円 2800万0001円~2900万円 214,000円 90万0001円~ 100万円 20,000円 2900万0001円~3000万円 220,000円 100万0001円~ 120万円 22,000円 3000万0001円~3100万円 226,000円 120万0001円~ 140万円 24,000円 3100万0001円~3200万円 232,000円 140万0001円~ 160万円 26,000円 3200万0001円~3300万円 238,000円 160万0001円~ 180万円 28,000円 3300万0001円~3400万円 244,000円 180万0001円~ 200万円 30,000円 3400万0001円~3500万円 250,000円 200万0001円~ 220万円 32,000円 3500万0001円~3600万円 256,000円 220万0001円~ 240万円 34,000円 3600万0001円~3700万円 262,000円 240万0001円~ 260万円 36,000円 3700万0001円~3800万円 268,000円 260万0001円~ 280万円 38,000円 3800万0001円~3900万円 274,000円 280万0001円~ 300万円 40,000円 3900万0001円~4000万円 280,000円 300万0001円~ 320万円 42,000円 4000万0001円~4100万円 286,000円 320万0001円~ 340万円 44,000円 4100万0001円~4200万円 292,000円 340万0001円~ 360万円 46,000円 4200万0001円~4300万円 298,000円 360万0001円~ 380万円 48,000円 4300万0001円~4400万円 304,000円 380万0001円~ 400万円 50,000円 4400万0001円~4500万円 310,000円 400万0001円~ 420万円 52,000円 4500万0001円~4600万円 316,000円 420万0001円~ 440万円 54,000円 4600万0001円~4700万円 322,000円 440万0001円~ 460万円 56,000円 4700万0001円~4800万円 328,000円 460万0001円~ 480万円 58,000円 4800万0001円~4900万円 334,000円 480万0001円~ 500万円 60,000円 4900万0001円~5000万円 340,000円 500万0001円~ 550万円 64,000円 5000万0001円~5100万円 346,000円 550万0001円~ 600万円 68,000円 5100万0001円~5200万円 352,000円 600万0001円~ 650万円 72,000円 5200万0001円~5300万円 358,000円 650万0001円~ 700万円 76,000円 5300万0001円~5400万円 364,000円 700万0001円~ 750万円 80,000円 5400万0001円~5500万円 370,000円 750万0001円~ 800万円 84,000円 5500万0001円~5600万円 376,000円 800万0001円~ 850万円 88,000円 5600万0001円~5700万円 382,000円 850万0001円~ 900万円 92,000円 5700万0001円~5800万円 388,000円 900万0001円~ 950万円 96,000円 5800万0001円~5900万円 394,000円 950万0001円~1000万円 100,000円 5900万0001円~6000万円 400,000円 1000万0001円~1100万円 106,000円 6000万0001円~6100万円 406,000円 1100万0001円~1200万円 112,000円 6100万0001円~6200万円 412,000円 1200万0001円~1300万円 118,000円 6200万0001円~6300万円 418,000円 1300万0001円~1400万円 124,000円 6300万0001円~6400万円 424,000円 1400万0001円~1500万円 130,000円 6400万0001円~6500万円 430,000円 1500万0001円~1600万円 136,000円 6500万0001円~6600万円 436,000円 1600万0001円~1700万円 142,000円 6600万0001円~6700万円 442,000円 1700万0001円~1800万円 148,000円 6700万0001円~6800万円 448,000円 1800万0001円~1900万円 154,000円 6800万0001円~6900万円 454,000円 1900万0001円~2000万円 160,000円 6900万0001円~7000万円 460,000円
訴え提起手数料については「裁判所に納める費用(民事裁判)」でも説明しています。
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上告については「まだ最高裁がある?(民事編)」でも説明しています。
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「高裁への上告(民事裁判)」でも説明しています。
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