庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

女の子が楽しく読める読書ガイド
おとぎ話を信じた王女さま(原題 : The Princess Who Believed In Fairy Tales)
ここがポイント
 危機は王子様が現れて助けてくれるのではなく、自分で生きているというメッセージはわかりやすい
 ファンタジーというよりも自己啓発セミナーの教材みたい

 お薦め度:星イメージ星イメージわりとお薦め/

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マルシア・グラッド作 2005年
 王女ヴィクトリアはハンサムで魅力的な王子様と結ばれますが、王室の客に出す料理が評判になり料理の本を出版することになると王子様が嫉妬して怒鳴り、言葉で虐待するようになります。これを王女は王子様が「チャックル博士とハイド氏」の二重人格となっていてそれは悪い呪文をかけられているためと考え、王子様の悪い呪文を解くために、フクロウのドク(ヘンリー・ハーバート・フート)の導きで旅に出ます。涙が洪水となった「感情の海」(不思議の国のアリスみたいですね)、「イズの国」(オズの魔法使いのもじりでしょうか)を経て「真理の寺院」にたどり着いて「聖なる巻物」を手にして冒険は終わります。
 危機は王子様が現れて助けてくれる、王子様なしでは生きていけないという生き方ではなく、あるがままの自分を肯定して(受け容れて)自分で生きていく・・・メッセージはわかりやすくていいんですが。
 特に「愛されたいという思いのために、尊敬されることを後回しにしてしまうと人はひどい犠牲を払うことになる」(198頁)とか、DV(ドメスティック・バイオレンス)からの立ち直りマニュアルにもよさそう・・・
 ただ、真理の道とか、宇宙の壮大な計画とか、全てのものはその計画を果たせるよう完璧に作られているとか、とっても宗教的なにおいが感じられます。
 そして、あとがきにもファンタジーだと書いてあるし、形はファンタジーなんだけど、読んでいるとなんか、教訓がストレートだし、エピソードもあまりに説教くさくて、自己啓発セミナーの教材みたい。と思ってたら、作者は作家じゃなくて自己啓発セミナーのインストラクターのようです。
 アメリカで200万部突破と紹介されていたから読んだのですが・・・
 メッセージはいいんだけど、ファンタジーとして読みにくいし、読んで「楽しい」かというとちょっと・・・

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