たぶん週1エッセイ◆
USJのサービスに「?」
 2005年の4月4日、子ども連れでユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)に行ってきました(私としては3回目です)。その時感じた疑問をお話しします。
 2005年の8月11日、2006年8月14日、2007年8月8日、2007年8月13日、2008年8月18日にもまた行きました。その感想も追加します。
 楽しかったし、子持ちの身としては今後も行くつもりです。改善のための意見として聞いてください。
エクスプレス・パス ブックレットの思想には違和感
 USJでは、人気アトラクションについて、素直に並んで入るのと別に、有料のエクスプレス・パスブックレットを販売し、これを買うと並ばずに入ることができます。エクスプレス・パスブックレットは、種類も増えてきていますが、2007年8月では7枚組4500円、4枚組3000円とかの値段になります。かつては東京ディズニーリゾート(TDR:東京ディズニーランド+東京ディジニーシー)のファストパスと同様に無料のエクスプレス・パスもありました(私も昔行ったときは使いました)が、2004年9月に無料のエクスプレス・パスは廃止になり、並ぶか有料のエクスプレス・パスブックレットを買うかの選択になったそうです。
 無料のパスの場合、アトラクションのそばの発券機で、並んで入るより後の時間に時間指定したパスが発行され、その時間に持ってくれば並ばずに優先入場できるというものです。これは、言ってみれば予約制ですね。
 並ぶのと無料のパスの場合、先着順のシステムと予約制のシステムを併存させて、並んでもいいから早く入りたい人は並ぶ、遅い時間でいいから並びたくない人はパスをもらうという選択だったわけです。これは合理性があると思うんですね。並んでいる人がいてそれを追い越しても、その人は「予約してた」のだから。
 しかし、有料のパスは、そういうことじゃなくて、金さえ払えば、時間指定も何もなく、とにかく優先的に入ることができる。後から来て予約もしていなくても、列に並んでいる人を尻目に、金を払ったんだから割り込んでいいというんですね。先着順でも予約でもない、金さえ払えばやりたい放題の思想です。
 5500円(大人の場合:2005年当時、今は5800円)という、TDRと同料金の高額の入場料に加えて4500円とか3000円とかをさらに払わせようとするところも庶民の目にはいやですが、それを超えてその背景にある思想自体がいやらしいですね。
 2005年4月の時はエクスプレス・パス ブックレットの使用者はそれほどいなかったように思いましたが、その後はかなりの数がいます。ますます目の前で割り込む人が増えて、いやな感じが増していました。
 それから、有料のエクスプレス・パス ブックレットは複数のアトラクションの抱き合わせ販売ですから、自分が乗りたくないアトラクションについても金を払うことになります。そうすると乗りたくなくても乗っておこうかという人が出てきて、有料のエクスプレス・パスを買わずに並ぶ人の待ち時間が長くなることになります。パーク側でもエクスプレス・パスは金さえ出せば時間指定なくいつでも使えるものですから、特定の時間に特定のアトラクションに何人が使うか予測がつきません。そのため、アトラクションの待ち時間表示がかなりでたらめになります。2006年8月14日に並んだときも、E.T.160分待ちの表示でしたが、実際には90分でした。2008年8月18日にはアメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド80分待ちの表示で、実際には35分でした。表示待ち時間より早いのは並んだ人間にはいいですが、そのとんでもない待ち時間表示を見てあきらめた人も多いと思います。そう思う人はエクスプレス・パスを買えということかも知れませんが、どちらにしてもサービスのあり方としてはかなり疑問です。
 それと、ついでにいうと、年間スタジオ・パスを買うと、パーク内で2000円以上の商品等を買ったときにプレゼントがあるからですが、何か買ったりレストランを利用する度に「年間スタジオ・パスはお持ちですか?」と聞かれるのには閉口しました。何か、年間スタジオ・パスを持ってないといけないのかと思ってしまいます。USJは、「金を多く払えばまじめに待っている人そっちのけでサービスを受けられるのが当たり前、自分も金を出してサービスを受けよう」と思うタイプの人にリピーターになってもらえばいいと思っているのでしょうか。
バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドに疑問
 バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドは、USJで並ぶ時間がたぶん2番目か3番目に長い人気アトラクションです。私が行った2005年4月4日もアメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライドに次ぐ待ち時間でした(最近はE.T.の方が、列がなかなかはけないこともあり、待ち時間が長いですね)。
 しかし、バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドは3フロアあるはずなのに2005年4月4日は2階分だけしか客を入れていませんでした。理由は知りませんので、もちろん、1階と3階に不具合があるとかならそれでいいんですが、1階も3階も運転可能なのであればフル稼働させれば待ち時間は半分以下で済むはずです。その点について何の説明もないですし、並びながら、今ひとつ納得できないものを感じました。この点だけは2005年8月11日に行ったときは改善されていて3階分全部使っていましたました(2007年8月8日は2階と3階分だけでした)。(2008年8月18日に行ったときに初めて1階で乗りました。1階が一番前に出ているので横や斜め上を見ると2階、3階の車両やその動きがよく見えます。それを見せたくないのかも・・・とも思いましたけど)
 ところで、待ち時間に流しているビデオで、タイムマシン「デロリアン号」について、いくつかの部分についてスポンサーの「トヨタの技術で開発・改善された」という趣旨の説明が入っていました。聞いている側はジョークとして受け流すでしょうが、高額のスポンサー料の見返りにこういうビデオを流すのかなと、疑問を持ちました。2007年8月8日に見たときは、トヨタが開発したというアナウンスが前よりかなり増えていました。車内の居住性や乗り心地に関するものが多いように聞こえますが「2025年に採用されたTOYOTAの4次元タイムトラベルナビゲーター」という表現もありました。2025年に採用されたとアナウンスしていますからジョークだということはよりはっきりさせてはいますけど。
炎天下の行列待ちへの配慮について
 2007年3月オープンのハリウッド・ドリーム・ザ・ライド(ジェットコースター)。オズのメリーゴーランドを除けば一番新しいアトラクションですから(エキスポランドの死亡事故で引いてるところはありますが)行列も結構長いんですが、行列に並ぶ前に、手荷物はもちろん、ポケットの中の物もすべてコインロッカーに入れろとかなり強硬に指示されます。指示通りにすれば8月の炎天下に日傘も帽子も飲料のペットボトルもなしで延々待ち続けることになります。待つ場所も、一部日よけがあるところもありますが、大半は直射日光が当たるところ。指示を無視して傘をさしている人もいました(そうしたくなるのが人情)が、アナウンスでロッカーに預けないとロッカーまで戻ってもらうことになると脅しつけられます。結局そういう人は乗る直前にカゴに預けていましたが、それならそうアナウンスしてくれればいいものをと思いました。USJは、客が炎天下で待つ苦痛をどう考えているのかと思いました(炎天下で待つのがいやなら金を出してエクスプレス・パス ブックレットを買えってことなんでしょうね)。
 そのからみで、2006年夏の記事でショーの開場時間について、多くのショーで開演20分前とアナウンスしながら実際には開演15分前で、遅れるという予告もないということについて書いていましたが、2007年8月は、開場時間の予告自体がなくなっていました。そういう対応もちょっと変だと思いますが。
アドリブじゃなかったの?
 TDRと比較してUSJの売りは、やはり関西系のキャラクターの話芸だと思うんです。ユニバーサル・モンスターライブ・ロックンロール・ショーとか、ターミネーター2:3Dの綾小路麗華さんのしゃべりとか(2007年8月8日久しぶりに入りましたが、健在ですね。私は好きです)、TDRではできない魅力だと思います。
 ウォーターワールドのショー開始前の水かけもその一つで、こういう話芸というかアドリブはやっぱり関西のお家芸だなあと思っていたんですよね。
 2005年4月4日の最初の回(11時30分から)を見に行ったんですが、いつも通り、スタッフがさんざんジョークを飛ばしながら客席にふんだんにバケツで水をかけ回った後、本番が始まってすぐ、ショーの動きが止まってスタッフが舞台裏に走って行き、しばらくして、「不具合がありましたのでしばらくお待ちください」というアナウンスがありました。数分後、ショーを再開しますということで本番の冒頭からやり直しになりました。冒頭はさっき見たところですから、目の前でもう一度されると、台詞はもちろん、声のトーンから何から全部同じことがわかります。ああこれって台詞や音は全部録音で口パクだったのね。まあ、それはいいんです。失望したのは、不具合の修正で待たせている間や再開にあたって、スタッフがアドリブで客を笑わせてくれるだろうと思ったら、それが全くないんですね。再開でスタッフが戻るときだってジョークはおろか、ひとこともしゃべらずに黙って下向いて配置に戻って行ったんです。ショー開始前に陽気に騒ぎまくって客席に水をかけ回った姿とのあまりの落差にビックリしました。そうすると、ショー開始前のあのアドリブに見えるのは全部マニュアル通りで、不具合の時の対応はマニュアルになかったから何もしゃべれなかったんでしょうか。ちょっと、しらけてしまいましたね。(こちらはその後に行ったとき、不具合はなかったので検証できませんでした。まあ、そうそう不具合があるはずないですもんね。) 
写真撮影について
 パーク内で、いくつかの場所でスタッフが写真を撮ってくれています。JAWSの前のサメが逆さづりになっているところが有名ですね。でも、ここではスタッフが撮影した写真を売っていて(1枚1200円)、そのついでに客のカメラでも撮影してくれるということです。見ていると、USJのスタッフは売り物にする写真は客の顔をアップで撮り、客のカメラでの撮影はわざわざ引いて顔が小さくなるように撮っています。E.Tの前に至っては、月と自転車のバックのところでは客のカメラでの撮影は拒否します。「お客さんのカメラでも撮影します、スタッフが撮った写真が気に入ったら買ってください」と呼び込んでおいて何だと思ったら「こちらは映画のセットと同じですからスタッフの専用カメラ以外では撮れません」だそうです。そんなこと言ったら、USJの中は大半が映画のシーンの再現のはずでしょう。客のカメラでも撮ったら写真が売れないからとはっきり言えばまだしも、どうしてそういう白々しいことを言うのかと、思い切りいやな気分になりました。
 TDRの場合、スタッフは撮影のポイントになりそうなところでただで撮影してくれますし、客にいい気持ちで想い出を作ってもらうことが再度来てもらうためのポイントだと考えて撮影もしていると思います。
 USJの場合、どうも商売が露骨な感じがします。

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