たぶん週1エッセイ◆
映画「聖☆おにいさん」
ここがポイント
 小さな逸脱を聖人でありながらという評価基準と聖人であればこその一般人と異なる感覚のズレでギャグに
 ビックリするようなことはあまりなく、そこそこの和みを感じさせる

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 立川で長期バカンス中のイエスとブッダの日常を描いたギャグマンガを映画化した「聖☆おにいさん」を見てきました。
 封切り3週目日曜日、シネ・リーブル池袋シアター1(180席)正午の上映は9割くらいの入り。観客の多数派は若年層。女性グループ、次いでカップルという感じでした。

 世紀末を乗り越え、日本の立川でルームシェアしながら長期バカンスを楽しむイエスとブッダ。倹約に努めタイムセールで少しでも安い買い物を心がけるブッダに、新しいものや食玩に目を奪われがちのイエスは叱咤激励され、気づかないうちに親父ギャグを言ってしまい照れるブッダは、お笑い好きのイエスに慰められという具合に、平穏な日々を過ごしていた。周囲からはニートの外国人と怪しまれ、ブッダは小学生たちから額の白毫を怪しまれて「ボタン星人」と陰口を言われてつけ狙われることになり…というお話。

 倹約に努めまじめな人柄で、徳の高いことを言うと後光が差すブッダと、好奇心が強く物欲を抑えきれずがまんをすると額から血を流してしまうイエスが、平穏な日常で小さな幸せを噛みしめて生きる姿を描くほのぼの系のストーリーに、小さな逸脱を聖人でありながらという評価基準と聖人であればこその一般人と異なる感覚のズレでギャグにしていくというのが基本線の作品です。
 2人が着ている水色単色にイエスやブッダに関係する単語の文字が書かれただけのTシャツ。見ているうちにあんなTシャツ、どこで売ってるんだろと思いますが、それにあわせてコンビニの店員が同じ疑問を呈し、自宅でイエスに隠れてTシャツをプリントするブッダの様子が登場します。そういうふうに、概ね、見ていて感じたり予想するのに合わせた展開で、ビックリするようなことはあまりなく、そこそこの和みを感じさせるというところです。

 タイトルとかからは、イエスとかブッダとか出てくるアニメだから、「我が輩はエル・カンターレである」とか出てくるんじゃないかとか思ったんですが(そう思って調べてみたら、イエスはエル・カンターレの化身じゃないから大丈夫ですね。私の誤解でした)、関係ないようでした。

 立川の町並みの絵が、イエスやブッダが入らないシーンではぼかし気味のタッチできれいなのが印象に残りました。
(2013.5.27記)

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