たぶん週1エッセイ◆
電子メールの束に埋もれて
 弁護士をやっていると仕事の必要からいくつかのメーリングリストに入ります。日弁連消費者委員会主催の消費者問題担当弁護士のメーリングリストやクレサラ事件担当弁護士のメーリングリスト、こういう弁護士会主催のわりと公開型のメーリングリストでは業者側の弁護士も入っていることを嫌ってもっと仲間内でよりディープな情報交換をするためにつくられたいくつかのメーリングリスト、弁護士会の委員会(私の場合現在は法律相談センター関係中心)関係のメーリングリスト、さらに私の場合、原発裁判がらみのメーリングリストがまたいくつか・・・。それに加えてこういうサイトを運営していてメールアドレスを公開しています。
 そうすると、1日に3桁はメールが来ます。
 ざっと眺めて半分がセールス・迷惑メール、残り半分の8割方がメーリングリストのメールです。

   迷惑メール

 迷惑メールには、件名・本文が英語のものが多数派で、これはもう中身を吟味することなく削除しています。以前は、外国の反原発関係者とかから英文メールが来る可能性を一応考慮してチラッとは見ていましたが、数が多くなりすぎて件名だけで削除に切り替えました。
 日本語の迷惑メールは、アダルト系と講演・セミナー等のセールス系がやってきます。これもだいたい件名で判断して削除しています。
 ただ、そういう削除作業自体も数が増えると結構面倒で、メールソフトのメッセージルールでいろいろ条件を付けて自動削除していましたが、いたちごっこでした。
 今年の春に、それまで使っていたNorton Internet Securityをやめて(そのいきさつはこちら)ウィルスバスターに乗り換えました。ウィルスバスターには迷惑メールフィルターがあるので早速使ってみると、迷惑メールの9割くらいはじいてくれる(自動削除)ので感激しました。しばらくは、迷惑メール以外もはじいてないかと不安で「削除済フォルダ」に行ったものを念のためにチェックしていましたが、ほとんどはOKでした(何故か、ブログで使っているgooからの転送メールが時々はじかれるのですが・・・)。で、削除済フォルダにはじかれたメールは(gooからの転送メールだけチェックして)無条件削除していました。この頃は快適でしたね・・・
 でも、やはりいたちごっこの面はあり、迷惑メールフィルターをかいくぐってくる迷惑メールも1日数件は残ります。これはメールソフトで送信者禁止で対応していたのですが、中にたちの悪い迷惑メールがあって、送信者の表示は外国人名のくせにアドレスが私のアドレスを偽装していて、気づかずに送信者禁止にしたら、自分が自分宛に送ったメール(自宅と事務所で共有するために仕事上の重要なメールは自分宛にBCCすることがあります)がはじかれることになり往生しました。
 この春、ウィルスバスターの更新時期になって、ウィルスバスター2008を購入して2007と入れ替えました。これが大変愚かな選択でした。ウィルスバスター2007では、迷惑メールと判定したメールの件名に全件[MEIWAKU]の文字を入れてくれていたので、これを基準に自動削除できたのですが、ウィルスバスター2008でこの機能がなくなり、メールソフトが受信トレイ以外のフォルダに振り分けたメールは一切迷惑メール判定ができない有様になりました。いまどきメールの振り分け機能を使ってない人なんて少数派だと思います。酷い機能低下ですね。バージョンアップの説明にはそういうこと全然書いてませんでしたけど。これでウィルスバスターの迷惑メール判定機能はほとんど使い物にならなくなりました。
 その結果また件名を見て手動削除に戻りました。以前にも増して件名をちらっと見るだけで開封せずにバサバサ削除しています。

   メーリングリスト

 メーリングリストのメールは、他の弁護士が取ったまだ判例集に載っていない判決や業者との交渉などでの最新情報がときどき入ってきて、仕事の上でとても有用なものがありますが、これもいちいち読んでいたらとても身が持ちません。それで、件名と送信者を見て興味を引かれたものだけ中身を見るという状態です。こちらは、読まなくても削除せずに残します。残しておけば、いざ必要となれば検索で出てきますから。
 弁護士業界のメーリングリストでは法律相談等の当番の交替お願いメールが横行しています。法律相談等の担当は機械的に割り振られますので、別の予定が入っていたり後から別の予定を入れる必要ができて交替をお願いすることはよくあります。でも、これも交替を希望する人以外には読みたくもないメールです。中にはそれを重要度高設定で送るジコチュウな弁護士がいてビックリします(まあ、今時重要度高のメールを送ってくるのは、大半が迷惑メールですけど)。これも基本的には自動削除の対象にしています。

   メールの件名

 メーリングリストでも最初の頃は、まじめに対応しようとして読んでいましたが、数が多くなると、件名でよほどはっきりしていないと読む気になれません。「お願い」とかいう件名で送ってくるメールを、何か困ってるのかなと思って最初はしかたなく読んでみましたが、相談の交替お願いだったりするので、読まなくなりました。そういう不心得者というかメールを受け取る側のことを考えない人がいるから、中には助けてあげるべきメールがある確率もあるけど無視することになるわけですね。
 メーリングリストでなくても、一般的抽象的な件名のアダルト系の迷惑メールが少なくないのでストレスがたまります。こういう連中のせいで、送信者が知っている名前でなかったら、一般的な件名のメールを開ける気がなくなります。相談に乗ってくださいなんて件名のアダルト系の迷惑メールも来たりします。私は以前メールでの相談をお断りしていましたが、その理由には、公式の説明の他にも、こういう事情もあります。
 こんな状態ですので、現在は、英文の件名や迷惑メール・セールスメール・交替お願いメールが疑われる件名は開かずに削除しています。
 2007年4月に第二東京弁護士会の法律相談センター運営委員会委員長になって、相談センターからの日々の業務メールに即座に対応することが必要になりました。普通にやると多数の電子メールの中から拾い出すのが大変なので、新たに非公開のアドレスを作って振り分けすることにしました。そうでもしないと特定のメールを確実に全件読むのは無理。
 どういうメディアもセールス利用やジコチュウな利用者が必ずいますから、純真な時代には帰れないでしょうけど、ここまでしないとメールも読めないというかほとんどのメールを読まずに捨てる(いくらかの割合で本当は読むべきメールが読まれない)という状況は、なんとかならないものでしょうか。

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