たぶん週1エッセイ◆
映画「毎日がアルツハイマー」

 監督が認知症初期の母と過ごした2年あまりを撮影したドキュメンタリー映画「毎日がアルツハイマー」を見てきました。
 封切りから15週目土曜日、映画館を入れ替えて細々続く現在全国で3館東京では唯一の上映館銀座テアトルシネマ(150席)午前9時50分の上映は1〜2割くらいの入り。観客は中高年中心。

 オーストラリアで小学生の息子と暮らしていたバツイチの映画監督が、夫に先立たれて一人で2世帯住宅の1階に住む母が自宅にチェーン錠をかけて入れてくれないと2階に住む妹から知らされ、同居して世話するしかないと決意し息子を元夫に預けて帰国し、母と毎日訪れる小学生の姪との日常風景、母の受診や介護認定、医師やケアマネージャーとの面談、息子と元夫の来日等のできごとを2年あまり記録して編集したドキュメンタリー。

 終始穏やかで、不機嫌になることはあっても癇癪は起こさない母親の様子、記憶に障害があったり、いろいろなことが次第にできなくなって意欲が失われて外出がおっくうになっても日常生活や言動には特段問題がない様子など、全体としてはアルツハイマー病で認知症の初期から中期と診断されても多くの場面では普通なんだなという印象を持ちます。医師の言葉でも患者さんの脳の95%部分は正常なんですといわせていますし。認知症患者への偏見を解こうという目的なんでしょうけど、少し明るい気持ちになれます。ホントはもっと厳しい場面もあったけど省いたんだろうなという気もしますが。
 認知症の診断の場面。今日の日にちは結局いえなかったけど、例の「100−7は」「93−7は」という質問には軽々と答えたお母さん。でも次の場面で医師はアルツハイマーで認知症の初期ですねと断言。アルツハイマーの人は数にこだわるんですとも・・・。計算問題できてもダメなんだと、ちょっとドッキリ。
 度々登場する10歳〜11歳の姪(監督から見て。お母さんからは孫)のこっちゃん。私から見ると無邪気でひょうきんで微笑ましいけど、実名(たぶん)顔出しで「うんこ」「コマネチッ」とかやってるのを本人が中学生とか高校生になって見たら、「何でこんなの公開したんだ」って家庭内紛争にならないかなぁと、他人事ながら心配してしまいました。

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