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たぶん週1エッセイ◆
映画「(500)日のサマー」

 職場の同僚に恋してしまった男と愛を信じない女の恋愛映画「(500)日のサマー」を見てきました。
 9館での封切りから8週目の土曜日渋谷でのレイトショーは2〜3割の入り。アメリカでは27スクリーンでの公開から4週目でトップ10入りしたそうですが、日本では上映館があまり増えず、ヒットは望めないようですね。土曜日・夜・渋谷という組み合わせのためか、観客の大半が若いカップルでした。

 建築家志望だがそれをあきらめてカード会社(ってクレジットカードじゃなくてグリーティングカードの方)でコピーライターをしているトム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、新しく来た秘書のサマー(ズーイー・デシャネル)に一目惚れ。エレベーターの中やお気に入りの公園、会社のカラオケ大会などで次第にサマーに近づいたトムはサマーに交際を求めますが、サマーは深刻な関係にはなりたくない、お友達ならという態度です。コピー室で激しくキスをしたり、サマーの部屋で、浴室でセックスもし、自分たちの関係を恋人と確認したいトムに、サマーはそれでも友だちだと言い続け、トムはキレてしまい、サマーとの関係がぎくしゃくし始め・・・というお話。

 20年来言われてきた「結婚しない女と結婚できない男」とか、昨今流行の「草食系男子と肉食系女子」という流れで、将来に向けて2人の関係をフィアンセとか恋人とか定義付けて安心したい男と今が楽しければそれでよくて将来のことは考えたくない女の行き違いを描いた映画といえばいいでしょうか。ずっと言われてきたからもうあまり違和感がありませんが、でも結婚する気がない男から見ればサマーはただ「都合のいい女」になりますし、トムとサマーを入れ替えたら遊ばれた女の話になってしまいます。

 内容としては特に深いものがあるようには思えませんが、映画としては惹きつけるものを持っていると感じます。
 サマーの笑顔の美しさとトムの切なげな表情が、たぶん売りだろうと思います。ふだんの表情にはそれほど惹かれないのに、サマーの笑顔がきらめくように美しく引き込まれるのはカメラワークの勝利でしょうか。
 主役の2人の他に、時々しか出てきませんが、トムの恋の先生役のレイチェル(クロエ・グレース・モレッツ)のおませぶりがまたかわゆい。

 映画の進行が出会って1日目から500日目を行ったり来たりして、ちょっとわかりにくい。途中の日に戻るとき、真ん中あたりの他のできごととどっちが先だったかと、ちょっと戸惑います。
 映画の中でビートルズや映画「卒業」が何度か登場したり、モノクロ画面を入れてみたり、そういうところでも時間を行き来させる効果が狙われているようです。
 サマーが「卒業」を見たがり、ラストシーンに感動する様子は、やっぱりあの「エッレーーーーン!」をやって欲しいのかなと思わせてくれたのですが・・・

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