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◆過払い金返還請求の話◆
アコムの場合
かつてのアコム
私が債務整理の事件を日常的に始めた(弁護士会の多重債務専門の法律相談センターができた)1999年頃、アコムは、弁護士が介入して取引履歴の開示請求をしても最初は直前6回分の貸し借りしか開示しないという、取引履歴の開示に非常に消極的な貸金業者でした。
その後、弁護士による債務整理が多くなったことや2000年から2001年にかけて、大手消費者金融に対して、東京法律相談協議会(東京の3つの弁護士会の法律相談センターの運営に関する協議会です)のクレサラ部会のメンバーが中心となって、過払い金返還請求の集団訴訟を起こしたりという過程で、取引履歴の開示はわりとスムーズに行われるようになりました。
しかし、2002年12月には、アコムが、弁護士や裁判所に提出した利息制限法引き直し計算書で、嘘の日付や金額を入れて、実際には過払いのものを過払いでないように偽ったり過払い金額を減らしたりしていたことが発覚しました。アコムは当初の発表では虚偽計算は89件約1800万円分としていましたが、その後のアコムの社内調査で発覚しただけでも虚偽計算は525件9780万円分に上っています。
アコムはこの後、取引履歴の開示と債務整理交渉を新設の「公的応対センター」に集中しました。私がやりとりしている限りでは、その後のアコムは取引履歴の開示は比較的迅速で素直に開示していると感じています。
いまどきのアコムの取引履歴開示
アコムに取引履歴開示請求をすると、上のような書式のものを送ってきます。弁護士から請求すると、この細かな字のつまったものをFAXで送ってきます。FAXで送られると、細かな字がところどころ潰れてとても読みにくい。事務員泣かせというか嫌がらせかと思うようなやり方で、消費者側の弁護士の評判は悪いのですが、アコムはそのやり方を続けています。いまどき、こんな小さな字の取引履歴をFAXで送ってくるのは、大手ではアコムとアエルくらいです。
アコムの取引履歴はいつからあるか
アコムは、コンピュータに入力した取引履歴は全て残していると思いますし、今はそれを素直に開示していると思います。
コンピュータに記録が残っている時期は、アコムの集団訴訟での主張によれば支店によってコンピュータ化の時期が異なるのでそれによって変わってくるということになります。
私が担当した東京での対アコム第2次集団訴訟での開示状況から見ると、コンピュータの記録で古いものは1979年5月から、遅いもので1985年4月からというところです。
ですから、1985年(昭和60年)より後に初めて借りたのであれば、コンピュータの履歴ですんなり全部開示されると考えていいでしょう。
私の経験でも、2007年5月の開示請求でも上のように1983年2月からのコンピュータの履歴がすんなり開示されています。
コンピュータの履歴がない場合でも、入会申込書は保管されているようですし、その後の紙のデータで補える部分もけっこうあります。アコムから紙の記録についても「捨てた」という主張は聞きません。
裁判対応
集団訴訟の時は、アコムは、弁護士をつけて全面戦争し、ありとあらゆる主張をしてきましたが、私の経験では、その後は全面戦争になっていません。
最近は、私が裁判を起こすと、第1回口頭弁論期日前に担当者から和解の申し入れがあり、計算した過払い金額(もちろん法定利息年5%も乗せて)に近い額で和解してしまっています。
全面戦争になった場合は、最近ではおそらく他の貸金業者と同じような主張をしていると思いますが、アコムに特徴的な主張としては、貸付は1回1回個別のものであるとして利息制限法の貸付利率は貸金残高ではなく1回1回の貸付額を基準にすべきというものがあります。利息制限法の制限利率は貸付額が大きくなると低くなりますから、基準となる貸付を分解して小さくした方が貸金業者に有利になるのです。この主張をするのは、私の知る限りでは、アコムとアプラスくらいのものだと思います。この主張は極めて特殊なものです。そして、もしそれを前提にすると、返済もそれぞれの貸付に案分して、残高も別計算して違う利率で計算することになり、利息制限法引き直し計算がものすごく複雑になります。普通の計算シートではもちろんできません。アコムは私が担当した集団訴訟の最中にそのための特殊なプログラムを開発して原告69名分の計算を出してきました(それだけで厚さ数十センチ)が、そのような特殊な計算は検算もできません。裁判所に提出する利息制限法引き直し計算書も虚偽入力した前科のある貸金業者ですから、こんなものを許したら正しい計算をするか疑問です。集団訴訟の和解の際にも、アコムの計算方法は採用しませんでした。でも伝え聞くところでは、アコムは最近でも弁護士が付いて全面戦争の事件ではそういう計算を出してくるようです。わざわざ開発したプログラムを活用したいのか、誰も検算できない計算書で煙に巻こうとしているのか・・・
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