相談の手順

基本は電話+面談

 私が相談を受ける場合、基本的には、まず事務所に電話をしていただき(その時に外出中であれば、事務員さんに私が帰ってくる日時を聞いて、もう一度電話してください)、電話で少しお話を聞かせていただきます。事件の内容に応じて、すぐに相談した方がいいか、相談にどの程度の時間がかかりそうか、どのような書類を持ってきてもらうかなどを考えて、その上で相談日時を調整して相談に来てもらいます。

 電話だけでは、複雑な話は頭に入りにくいですし、資料(相談者が持っている証拠など)を見ることができません。あらかじめ電子メールやFAXで資料を送ってもらったとしても、話しているうちに別の資料があることがわかってそれを見る必要が出てきたりします。電話での相談というのは、判断材料が十分でなく中途半端な相談になりがちですし、一気に話ができなくてかえって手間がかかったりします。

 法律相談を、法律知識を得る場だと思っている方もおられますが、それなら、今どきはネットで検索すれば(信用性の問題はありますが)無料でより速くわかります。法律相談は、現実に起こっている紛争や法的な困りごとについて、具体的な事実関係を聞き、相談者の話(主張)を裏付ける資料(証拠)がどの程度あるかを見たり聞いたりして、裁判になった場合に相談者の主張が通る見込みがどの程度あるのかを検討して(もちろん、相手のある話で、相手がどのような主張をしどのような証拠を持っているか十分にはわからないことが多いため、暫定的な見通しにとどまりますが)、現実にどう対応していくことが考えられ、また望ましいかというようなことが、中心的なテーマとなるものです。

 こういう話をすると、自分は裁判まではしたくないので、裁判の見通しを聞きたいわけではないという方がいると思います。現実には裁判をしない場合でも、交渉、特に弁護士が入った交渉では、裁判になったらどうなるかを想定してそれに近い線でまとめるのがふつうです。交渉でも裁判で勝つ見通しがある方が有利になります。交渉もしない場合でも、いざ裁判となったときにどうなるかを予想できれば、安心できたり心構えができます。そういう点から、裁判になったときの見通しは、とても重要なのです。ネットで知識を得るのではなく弁護士に(わざわざお金を払い面談して)相談する価値は、そこにこそあると思います。

 法律相談を有効に行うためには、相談者が関係する書類をできるだけ持ってきてくれることが重要です。そのため、最初にまず電話で、どういう資料がありそうか、どういう資料が必要/あった方がいいかを話したうえで、面談でそれを見ながら相談するということがベストだと、私は思っています。

電子メールでの相談

 法律相談では、まずは事件・紛争の内容(事実関係)を弁護士が把握する必要があります。その過程では、もちろん相談者の方から話してもらいますが、弁護士の方で質問をして事実関係の詳細な点、重要な点を確認する(詰めていく)場面が多くなります。相談者側の一方的な説明では、弁護士が判断するための前提となる重要な事実がわからないことが多い(それが普通)です。面談や電話であれば、その場で聞いて相談者の答えをすぐに受けられますが、電子メール(ましてやFAXや手紙)では、質問してから答えが来るまでに時間がかかり、そういう状況では弁護士側も気軽に質問をすることもできません。そういう点で、電子メールというのは、法律相談をする手段としては非常に効率が悪いものです。

 しかし、そうは言っても、遠方で私の事務所まで相談に来ることができず、どうしても私に相談したいという方には、電子メールによる相談も行っています。その場合、必要な(私が要求する)資料をスキャンしてpdfファイル等にして電子メールに添付してくれるか、それができない人はコピーを郵送してくれるか(原本を郵送されると困ります)することを条件に、おおよそのことを聞いた段階で相談料の見積もりをしてあらかじめネット銀行の口座に相談料を振り込んでもらったうえで相談をしています。

 電子メールでの相談を申し込まれる場合、相談の質としては明らかに面談の方が高いこと、電子メールでの相談には限界があることを、予めご理解ください。

相談の準備

 相談に来られる前に、できれば準備しておいてほしいことがあります。個別に事案に応じて、電話で話を聞いた際にお願いすることがあります(例えば、解雇の事案で解雇理由説明書をまだもらってないときは、まず文書で使用者に請求して、できたら解雇理由説明書をもらってから相談ということもあります)が、それと別に、次のようなことは、説明のために、準備してほしいなぁと思います。
 長期間にわたるあれやこれやが積み重なった事件の場合、できごとを時系列に沿って(起こった順番に)整理したペーパー(できればA4の紙1枚か2枚程度。あまり長いと、また、頭に入らない)を作成してほしい。
 多数の人物が登場する場合は、相関図(親族の場合は家系図)を作ってきてほしい。
 不動産の事件等で位置関係が問題となる場合は図面を作ってきてほしい(ちなみに不動産の事件の場合、できるだけ、登記簿謄本を持ってきてほしい)。
 土地や建物などの状況、物の損傷状況などが問題となる場合は、写真と撮影場所がわかる地図・図面などを持ってきてほしい。
 それから、「録音がある」というときは、その録音が重要なものだと思うのなら、書き起こしてきてほしい(全部聞く時間はないし、一部だけ切り取って聞かされてもその録音の価値を正しく評価できるか不安です)。

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