解雇されたら(解雇通告に対する対応)

口頭で解雇通告されたとき:文書で通知するように求めよう

 解雇通告が口頭でなされた場合、解雇が無効であるとして労働者側が裁判等の手続を取ったときに、使用者側が「解雇はしていない、労働者側が勝手に出社しなくなった」などと主張することがあります。解雇だとなると、解雇理由が合理的なものではないとか社会的に見て相当でないと評価されたら、解雇が無効になり、使用者に不利だからです。その場合、裁判上は、労働者側が解雇と主張しているできごととその時期の経緯の事実認定とその評価から、解雇なのか自主退職なのかを判断することになります。

 そういう余計な争いを残さないためにも、使用者側から解雇通告を口頭で受けたような場合には、必ず文書での解雇通知(と解雇理由証明書)を要求すべきです。働き続けたいのであれば、使用者側が文書を出さなければ解雇されていない(し退職もしていない)といって出勤を続けるくらいの態度を取るべきです。そうしていれば使用者側が解雇をあきらめるかもしれません(裁判等がいやで文書を出さないのであれば)し、解雇をあきらめないなら文書で解雇通知を出してくるはずです。

解雇理由証明書の請求:内容証明郵便か電子メールで、労基署を利用

 使用者が主張する解雇理由を文書(解雇理由証明書)の形で取っておけば、解雇が有効か無効かの判断がしやすくなりますし、裁判等での使用者の主張をある程度拘束できます。そのために、できるだけ早い段階で解雇理由証明書を取っておくことが、その後の展開を労働者に有利にします。使用者の解雇通知書等に解雇理由が具体的に記載されていない場合(就業規則等の条項だけが記載されている場合も同じ)、解雇理由(解雇の理由となる具体的事実)を記載した解雇理由証明書を交付するように請求しましょう。

 労働基準法第22条は労働者が退職証明書(解雇理由証明書)を「請求した場合においては、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない」と定めています。まず、請求したことを立証できるように、請求は内容証明郵便か電子メールでした方がいいです。そのうえで、使用者がすぐに交付しなかったり、拒否したときは労働基準監督署に申告してください。明らかな労働基準法違反ですので、労働基準監督署が使用者に電話するなどして指導してくれます。使用者は、通常、役所にはめっぽう弱いので、労働基準監督署からの指導には、普通、従います。この段階で弁護士からの通知書で解雇理由証明書を請求することは、使用者が必ず弁護士に依頼して理由を書かせることになってガチガチに裁判を意識した理由書が来ることになりますし、何よりも弁護士に書かせると回答がすごく遅くなりますので、得策ではありません。

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