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◆活動報告◆
松本サリン事件被害者弁護団
1994年6月27日深夜、オウム真理教幹部らによって大量のサリンが噴霧され、7名が死亡しました。負傷者は、植物人間状態となった1名を含め約600名と報じられています。
私たちは当初松本サリン事件で死亡した7名のうち4名の遺族から依頼を受け、熊本県波野村がオウム真理教に支払う和解金の仮差押え、オウム真理教と麻原彰晃こと松本智津夫に対する損害賠償請求訴訟、オウム真理教の解散請求、オウム真理教の破産申立、松本サリン事件の実行とサリン製造を行った者に対する損害賠償請求訴訟を行いました。
オウム真理教に対する破産宣告(1996年3月28日)以後は、松本サリン事件の遺族と被害者の債権届け出を代理しています。
松本サリン事件の遺族・被害者を初めとするオウム真理教の一連の事件の被害者は、オウム真理教や松本智津夫らに対する損害賠償請求訴訟で勝訴しても、現実には賠償を得ることができません(判決をとっても相手が支払わず相手の資産もなければ支払を受けられないことの説明についてはこちら)。ただ、破産手続で破産管財人によってオウム真理教の資産の換価(売却等)が行われ、現在までに破産手続上認定された被害額の34.83%が配当されたにとどまっています(破産の手続の他に一般の方の寄付金等によるサリン等共助基金、オウム真理教犯罪被害者支援機構からの配分をあわせても38.35%)。その破産手続も、2008年3月26日の第16回債権者集会をもって事実上終結することになりました。今後2008年秋までに最終配当がなされますが、それを含めても破産手続での被害者への配当は30%台にとどまり、サリン等共助基金、オウム真理教犯罪被害者支援機構からの配分とあわせてようやく40.06%となる見込みであることが破産管財人から示されています。国からは(見舞金である犯罪被害者等給付金が支給されたほかには)何ら補償はありません。
2007年10月10日、破産手続終結の情勢をふまえて、衆議院第2議員会館でオウム真理教の無差別テロ事件の被害者への補償を国が行う特別立法を求める集会が開かれました。その席上、地下鉄サリン事件被害者の会代表世話人の高橋シズヱさん(地下鉄サリン事件で霞ヶ関駅助役だった夫を殺された遺族)が、12年にわたって事件の風化をさせないように奔走してきて結局夫の死に自分は向き合えていないのではと最近感じる、事件の被害者が12年も被害の救済を求めてあちこちに頭を下げて回らないといけないようなことが今後ないようにしてもらいたいと発言するのを聞き、私も思わず涙目になってしまいました。遺族の哀しみが癒される日は、いつになったら来るのでしょうか。
世間では、民事裁判の判決報道や国を狙った無差別テロである松本サリン事件(裁判官官舎を狙ったもの)、地下鉄サリン事件(霞ヶ関を狙ったもの)で国の補償がないはずがないという常識的な感覚から、オウム事件の被害者は相当な賠償・補償を得ていると思われています。しかし、それは誤解で、現実の賠償は今後の最終配当をあわせても認定被害額の4割程度、国からの補償はありません。
ニューヨークの世界貿易センタービル(WTC)等が標的となった9.11テロでは、アメリカ政府は直ちに補償基金を立ち上げ、遺族・被害者に補償をしています。補償以外にも遺族・被害者に対するカウンセリングやファミリー・ルームの設置など様々な被害者支援が行われています。
これに対して日本では、公的補償・支援はないに等しい状態です。
私たちは、国を狙ったテロの遺族・被害者に対しては、国がまず被害全額の補償を初めとする遺族・被害者への支援を実施し、その費用を加害者オウム真理教等から取り立てる制度を作るべきだと考えています。
被害者救済の特別立法については、2008年2月14日に民主党が私たちの希望する内容をほぼ満たす法律案を衆議院に提出しました(民主党案についてはこちらを見てください)。しかし、法案の審議は、自民党がこれとは異なる意見(被害の全額ではなく一律定額の「見舞金」を支給する。自民党案の問題点についてはこちらを見てください)であり、店ざらしになっていましたが、5月27日に与野党合意ができ、6月中旬には成立の見込みとなりました(与野党合意についてはこちら)。私としては手放しで喜べるものではありませんが、関係者の方の努力に感謝します。
松本サリン事件10年アピール(2004.6.26)
地下鉄サリン事件10年集会アピール(2005.3.19)
2006年10月4日集会アピール(2006.10.4)
地下鉄サリン事件から12年の集い:声明と法案(2007.2.21)
「見舞金」ではオウム犯罪被害者の救済にならない(2008.1.12)
オウム被害救済立法自民党PT案の問題点(2008.1.16)
民主党のオウム犯罪被害救済法案(2008.3.15)
オウム犯罪被害者救済法案与野党合意(2008.5.31)
地下鉄サリン事件被害者の会代表世話人の高橋シズヱさんのブログが開設されました
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