![]()
◆女の子が楽しく読める読書ガイド◆
リンの谷のローワン
エミリー・ロッダ作
1巻 ローワンと魔法の地図(原題 ROWAN OF RIN) 1993年
2巻 ローワンと黄金の谷の謎(原題 ROWAN AND THE TRAVELLERS) 1994年
3巻 ローワンと伝説の水晶(原題 ROWAN AND THE KEEPER OF THE CRYSTAL) 1996年
4巻 ローワンとゼバックの黒い影(原題 ROWAN AND THE ZEBAK) 1999年
5巻 ローワンと白い魔物(原題 ROWAN OF THE BUKSHAH) 2003年
主人公は臆病で役立たずと評価されていた男の子ローワン。ローワンたちが住むリンの谷の人々は、昔敵役のゼバックの奴隷でした。この地域には海岸の民マリス、さまよう旅の人が住んでいました。そこにゼバックが攻め込むために奴隷の中から屈強な男女を選んで連れてきたのがリンの人々で、その戦いの中でリンの人々はゼバックに反旗を翻し、マリスの人々や旅の人とともにゼバックの軍隊を追い払ってリンの谷に定住したという設定です。
この設定の中で、ローワンが毎回リンの谷やマリスの民の危機を救うというストーリーです。そして毎回魔女シバの予言が大きな意味を持っていて、最初は意味がわからない予言が解き明かされ、結局予言に従って危機が救われるというパターンです。常に予言が実現するという話に抵抗感がなければ、ファンタジーとしてよくできていると評価できます。
5巻ではついにローワン自身が予言者になってしまい、展開も重苦しくなり、6巻が書けるのか心配ですね(2008年6月1日現在未刊のようです。著者のHP:長らく更新されていませんでしたが2007年11月16日に“SPECIAL UPDATE”されています:新作で“The Key to Rondo”というのが出版されたそうです。ローワンシリーズとは関係ありません)。出版社からAll of the Rowan books in one volumeとしてRowan of Rin - The Journey が出てますから、5巻でもう完結ということかも。
ローワンが勇敢な人々ばかりのリンの谷ではぐれものにされていること、2巻以降で冒険に参加する者が(3巻を除き)はぐれもの中心であることを見ても、作者の視線が社会の主流でない人に向いていることが感じられます。
登場人物の設定が、リンの谷の人々は性別を問わずたくましくて勇気があるとされています。長老のランは元たくましい女戦士、ブロンデンはけんかっ早いし・・・という感じ。4巻でローワンがゼバックから連れ帰ったノリスとシャーランの兄妹は戦闘的でたくましい兄とひ弱で内気な妹という組み合わせですが。
1巻の段階ではストロングジョン(男)、マーリー(女)、ブロンデン(女)あたりが今後も活躍するかと思いましたが、2巻、4巻、5巻で登場するジール(女)が事実上No.2の役になってきています。ジールは、ゼバックの生まれだけど幼くして旅の人に引き取られ、凧に乗って空を飛べるし、戦闘能力も高くて、かっこいい。
主人公は男の子ですが、ジールがローワンよりかっこいいので、女の子が読むときの感情移入なりモデルとする対象をジールに置ければ、楽しく読みやすいと思います
**_**
**_**