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たぶん週1エッセイ◆
映画「ウォーリー(日本語吹き替え版)」

ディズニー/ピクサーのロボットファンタジー映画「ウォーリー」の日本語吹き替え版を見てきました。

 29世紀の人類が住んでいない荒れ果てた地球で700年間孤独に作業をし続けてきたゴミ処理ロボットウォーリー(wall−e)が、感情を持ち、ビデオでミュージカルを見続けて手をつなぐことに憧れていたところ、宇宙からやってきた巨大ロケットが残していった最新式ロボット「イヴ」と知り合い、ウォーリーが飼っている/友だちの虫(ゴキブリ?バッタ?)を通じて心を通じたと思ったら、ウォーリーが見つけた植物を見てイヴがフリーズし、またもや現れた巨大ロケットに連れ去られ、それを追ってロケットにしがみついたウォーリーが、地球を逃げ出した人類の巨大宇宙船にたどり着き、復活したイヴとともに宇宙船を支配するロボットの陰謀と対決し・・・というお話。

 人類が何故地球を見捨てたのか。光合成を行う植物が存在しないという前提からすれば、核戦争後かとも思えますが、それにしては宇宙への旅の広告ビデオは観光旅行みたいでのんびりしています。それに核戦争での破壊の跡という感じでもないし。といって、ゴミの蓄積による環境悪化というだけなら植物も全部滅ぶっていうのは無理がありそう。
 ウォーリーは太陽光発電で動いているのですが、700年放置してもなお大丈夫なソーラーパネルって・・・。冒頭のシーンで原発(加圧水型原発の排気塔)と風力発電の廃墟が並んでいます。太陽光発電を残すのなら風力も残してよさそう(実際、ウォーリーの時代にも風は吹いているのですし)ですが、原子力好きのディズニーとしては原発を見限るときには是が非でも風力も道連れにしたいのでしょうねと苦笑いしてしまいました。
 核戦争でもなくて、700年も稼働し続ける太陽光発電が実用化できてエネルギーにも困らないなら、人類はどうして地球を見限って宇宙旅行を続けているのかとか、地球より遥かに狭い宇宙船の中でどうして地球よりもずっとエネルギー浪費型の完全機械化された生活を送っているのかとか、エンディングでも宇宙向けに設計された宇宙船内のシステムが地球でうまく働くとは思えないけどまだ植物もほとんどない地球に戻って人類は当面どうやって食べていくのかとか、およそ説明の付かないことばかりですが、ディズニーですし、まじめに考えちゃいけないのでしょう。

 そういう疑問さえ持たなければ、とても気持ちよく見られるハートウォーミングな映画です。よかれ悪しかれ、ディズニーの映画だからと思っている限り、期待通りの感動を得られます。

 ロボットの「目」(双眼鏡型のレンズとホルダー部分)の動きと手の動き、言葉でない音声だけで、表情というか感情をこれだけ持たせられるのか、と感心します。

 日本語吹き替え版は、音声だけでなく、映像中の文字もほとんど日本語になっています。ウォーリーたちの通った跡をスキャンした検知機に度々現れる「外来の汚染物質」の文字や、イヴが送られた部屋のドアの「修復室」の文字、さらには艦長が見るマニュアルの表紙に「操作マニュアル」の文字。こういうのどうやって日本語に変えるのでしょう。映画をフィルムじゃなくでCGのデータでもらって差し替えるんでしょうか。そういう技術にも、ちょっと驚きました。ウォーリーとイヴが逃げた後に次々と表示される「CAUTION」は、音声では「危険なロボット」になっていましたが、文字は英語のままでした。さすがにこれは数が多すぎて日本語にできなかったのでしょうか。
 人間サイドのヒーローとなる宇宙船の艦長の声が、なんと草刈正雄です。う〜ん、なつかしいけど、声が若い。公式HPには、吹き替え版スタッフの情報も全くなくて(それだけでなくほとんど情報なし。ゲームとかはあるけど)事前にはわかりませんでしたが、エンドロールで名前を見てノスタルジックになってしまいました。
 エンドロールのウォーリーとイヴの絵は、映画と違って手書きっぽくて、味があります。モネとかゴッホのような画風のウォーリーが、いい感じでした。

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