庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「きみといた2日間」
ここがポイント
 前夜のセックスについて批判しあった上で、学習のためにもう一度…という展開が、前半の見せ場
 恋愛敗者同士、どちらも住処を失う生活でも敗者同士のカップルが主役というところに親近感を持つ

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 出会い系サイトで知り合い一夜を過ごし大雪で帰れなくなりさらに一日過ごすことになったカップルの行方を描いたラブコメ「きみといた2日間」を見てきました。
 封切り2週目土曜日、全国2館都内では唯一の上映館新宿武蔵野館2(84席)午後1時の上映は3割くらいの入り。観客の多数派は、ラブコメにもかかわらず、一人客。まぁ前夜のセックスについて批判し合う2人の会話は、デートには不向きかと思いますが。男性一人客はR15+指定に期待しての入場かも知れませんが、映像的には露出度は高くなく、主としてセックスに関する会話部分が年齢制限の理由と思われます。

 高校時代の彼について行くために興味のない大学に進学したが彼に振られ就職する気にもなれずにネットサーフィンを続け、ルームメイトのファイザ(ジェスカ・ソー)にも就職活動に身が入らないことを批判され、男を捜せと発破をかけられ、身分証明書がないためにバーにも入れず腐ったメーガン(アナリー・ティプトン)は、出会い系サイトに登録し、片っ端からメッセージを送って反応があったアレック(マイルズ・テラー)のアパートにお泊まりに行き、翌朝、アレックから見知らぬ男との一夜の関係が初めてなんて信じられないと言われて大げんかになり、罵り合って帰ろうとしたら大雪でドアが開かず、テレビを付けるとニューヨーク全体が交通マヒ状態で、アレックの部屋にもう一日いざるを得なくなった。口論をしながら、より建設的な話し合いをしようと、2人は昨夜のセックスについてお互いの不満をぶつけ合い、不満を募らせるが…というお話。

 出会い系サイトでのメッセージから即お泊まりして相手のことをほとんど知らないまま肉体関係を持ったメーガンとアレックが、口論の挙げ句に前夜のセックスの際のお互いの行動を批判しあった上で、学習のためにもう一度…という展開が、前半の見せ場になります。ここはこう、そこはそうと、指摘し反省しながらのチャレンジは、気恥ずかしくもあり、微笑ましい。
 医師になった高校時代の同級生に振られたメーガンと、美女のDJと同棲中だが相手の心が離れていることを知ったアレックの恋愛敗者同士、どちらも住処を失う生活でも敗者同士のカップルが主役というところも、親近感を持ちます。

 2日間の話で生活や出自などに関する深刻なエピソードもなく、軽いタッチのラブコメですが、セックスにまつわる批判的な会話があり、誰が誰と見るのに適しているかは、難しいかも。「私たちも、試してみる?」というノリの相手がいれば、いいでしょうけど。
(2016.1.2記)

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