たぶん週1エッセイ◆
映画「ダブル・ミッション」

ここがポイント
 御年56歳のジャッキー・チェン。アクションはスーパー歌舞伎っぽい
 オタクっぽい少年イアンの可愛らしいませガキぶり、あどけない少女ノーラのかわいさがほのぼのしていい
 老いたりとは言え、ジャッキー・チェンが3人の子持ちのシングル・マザーにすり寄りしがみつく展開は、中年のおじさんにはもの悲しさを感じさせる

 

 ジャッキー・チェン主演のアクションラブコメ「ダブル・ミッション」を見てきました。
 封切り2週目日曜午後は7割程度の入り。観客の年齢層は結構ばらけている感じ。

 中国からCIAに出向しているスパイのボブ・ホウ(ジャッキー・チェン)は、ふだんはペンの輸入業者として生活し、隣人の3人の子持ちのシングル・マザージリアン(アンバー・ヴァレッタ)と交際して求婚中。ボブとしては最後の仕事としてテロリストを捕らえ、安心してジリアンとの結婚話を進めようとしたが、ジリアンの子どもたちが反対し、特にジリアンのいなくなった夫の連れ子のファロン(マデリン・キャロル)が頑なな態度をとり続け、うまくいかないでいた。そこにテロリストが奪還され、極秘の発明のファイルをボブがダウンロードしたと疑ったテロリスト一味がボブを抹殺するために乗り込み・・・というお話。

 アクション映画であり、またそれなりにハードなアクションはあるのですが、御年56歳のジャッキー・チェンがやっているからというか、そういう目で見てしまうからかもしれませんが、アクションがスピードよりもコミカルさを追求し、何となくスーパー歌舞伎っぽい型や決めポーズという印象を持ちました。
 ジャッキー・チェンのさえないペン商人姿と、ラブコメ造りと、スパイにあこがれるオタクっぽい少年イアン(ウィル・シャドレイ)の可愛らしいませガキぶり、あどけない少女ノーラ(アリーナ・フォーレイ)のかわいさで、ほのぼのした笑いを取る作りですし、やはり基本的には、アクションもあるコメディという見方をする映画でしょう。しんみりさせるシーンはボブがファロンの心を開いていくあたりくらいです。
 しかし、老いたりとは言え、ジャッキー・チェンが3人の子持ちのシングル・マザーにすり寄り、しがみつく展開は、中年のおじさんにはもの悲しさを感じさせます。

 映画の中で、ほかの映画の引用というかほかの映画をイメージさせるシーンが多用されています。ある意味でファンサービスとも言えますが、ある意味安直な作りとも言えます。
 エンドロールでNG集が流されるのも、コメディのお約束とも言えるでしょう。これも楽しめますが、やはり安直な作りとも言えます。
 前日見た「ラスト・ソング」と、かわいいませガキが重要な役割を占めていることが共通してたり、「ラスト・ソング」主演のマイリー・サイラスの父親(ビリー・レイ・サイラス)が「ダブル・ミッション」でCIAのジャッキー・チェンの相棒で出演してたりするのは、偶然ではありますが、ハリウッドの狭さを示しているともいえそうな・・・

(2010.6.27記)

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