庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「アメイジング・スパイダーマン2」
ここがポイント
 テーマはスーパーヒーローの孤独か
 正義の味方とみられると、「助けない」だけで恨みを買うというのはあまりに理不尽
 不遇の労働者マックスの怨みはなぜ勤務先の大企業ではなくスパイダーマンに向かうのか

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 スパイダーマンの新シリーズ第2作「アメイジング・スパイダーマン2」を見てきました。
 封切り5日目祝日、新宿ミラノ1(1048席)午前10時30分の上映は4〜5割の入り。

 大学の卒業式に向かう途中、3人組の男が乗っ取り暴走するプルトニウム輸送車に遭遇したピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)は、周囲の人をはじき飛ばされたパトカーなどから救いながら、こぼれ落ちるプルトニウム容器をかき集め、犯人を追いつめ、恋人グウェン・ステイシー(エマ・ストーン)が待つ卒業式に駆けつける。設計図の束を抱えながら歩いていて暴走する車の前から助け出されたオズボーン社の技師マックス(ジェイミー・フォックス)は、スパイダーマンが多数の中から自分を助けてくれたことに特別な絆を感じ、誕生日の日、スパイダーマンが誕生パーティーに突然現れると夢想しながら出社したが、上司に配電システムの故障を修理するために残業を命じられ、修理中に感電してしまう。オズボーン社の幹部は不祥事を隠蔽するためにマックスの記録を削除するが、目が覚めたマックスは電気エネルギーを体内に集め放出する怪物「エレクトロ」になっていた。父親の死の床に呼ばれたピーターの親友ハリー・オズボーン(デイン・デハーン)は、オズボーン社の社長の座を譲られるとともに、父親の体を蝕んだ難病が自分にも遺伝していることを知らされ、父親が秘密裡に続けてきた研究から治療のためにはクモの遺伝子を取り込むしかないと思い込む。オズボーン社の施設を抜け出して街へ出たマックスは、電気を吸い取っていたところを警官隊に囲まれ、やってきたスパイダーマンと話し合う中を警官に狙撃され、群衆がスパイダーマンに声援を送り自分を怪物と呼ぶことに怒り、暴れたところをスパイダーマンに取り押さえられ、スパイダーマンを憎むようになる。ピーターを通じて呼び寄せたスパイダーマンに血を分けて欲しいと頼み、自分の血を入れたら君が死ぬかも知れないと拒否されたハリーは、拘束されていたマックスを解き放ち、スパイダーマンを襲い血を流させろと命じ…というお話。

 人間の過ちと自責の念、そこからの使命感を軸としていた前作に対し、この作品の基調はスーパーヒーローの孤独、でしょうか。
 恋人グウェンとの関係で、自分のそばにいることでグウェンを危険にさらしてしまうこと、前作で死んだグウェンの父から言われたグウェンに近づくなという言葉から、近づけない、しかし近づかずにはいられないというせめぎ合いがあり、家族での記念撮影や食事会を断りついにはグウェンから別れを言い渡されつつも、結局は会いに行ってしまい、しかしまたグウェンは距離を置くためにオックスフォード(ロンドン)への留学を申し込むという行きつ戻りつの展開。
 マックスからは、一方的な思い込みを持たれた挙げ句、警官隊に撃つなと断って話し合いをしている最中に警官隊がマックスを狙撃し、群衆がスパイダーマンをヒーロー視してマックスを怪物を罵ったことでマックスから恨まれるという理不尽。
 ハリーに至っては、血を分けてくれと言われて、自分の血を注入したらハリーが死ぬかも知れないということから今はできないと言ったら、人を救うのが仕事だろ、自分を助けてくれないのかと恨まれる…
 正義の味方と評価されることで、いつの間にか人を救うことが当たり前とされて救わなかったら恨まれるというのは、人の世の非情と身勝手さを感じさせ、むなしく思えます。人権派弁護士に対してもそういう過剰な期待を抱く人も時々いていやな思いをすることがありますけど…

 オズボーン社の電気技師のマックス、配電システムを設計提案しながら会社での地位は低く、誕生日にも上司に残業を命じられて、同僚の手助けを得られずに一人で修理するうちに感電してしまいます。そういう流れなら、怨みはオズボーン社やその幹部に向かうのが自然の流れだと思うのですが、マックスの怨みはスパイダーマンに向かい、オズボーン社の御曹司のハリーと手を組んだりさえします。大企業を悪役にしたり、労働者が勤務先の大企業を恨み闘うという構図は避けたいのでしょうか。

 例によって、エンドロールの後に、続編があるからねというあからさまなアピールがあります。エンディングからして続編があることは十分に予測できるところで、それで自然と予想させて終わる方が上品だと思うのですが。
(2014.4.29記)

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