たぶん週1エッセイ◆
映画「シャーロック・ホームズ」

 名探偵シャーロック・ホームズを主人公にしたアクション映画「シャーロック・ホームズ」を見てきました。
 封切り2週目土曜日午前中、新宿ミラノ1では2割くらいの入り。

 19世紀末ロンドンで黒魔術の儀式で若い女性5人を連続殺害したブラックウッド卿(マーク・ストロング)は、被害者の親族に依頼された探偵シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)とワトソン(ジュード・ロウ)に逮捕されるが、獄中でホームズに復活と3人の死を予告した。ブラックウッド卿の絞首刑の後、ホームズは愛する謎の女アイリーン(レイチェル・マクアダムス)から人捜しを依頼されたが、化学実験を進めていたその失踪者はブラックウッド卿の棺の中から発見された。ブラックウッド卿の復活と連続殺人、さらにその先にある陰謀をホームズとワトソンが追うが・・・というお話。

 ホームズの名探偵部分は、短いカットの映像と細部からのひらめきで手早く進み、推理が順を追って語られる場面がなく、観察力とひらめきは印象づけられるもののそれがメインにはなっていません。
 むしろ、体育会系というか武闘家という感じのシーンが多くて、名探偵というよりも刑事アクションものという印象が強く残ります。
 映画としても、謎解きよりは、単純なアクション映画と考えてみた方がいいと思います。

 さんざん見せられた予告編の日本語字幕が、本編ではあまり出てきません。アイリーンとホームズの「のぞき?」「まさか、君から学んでるんだ。事件解決のためにね」も、ホームズとワトソンの「銃は使うな」「銃は使うな?」も、アイリーンがホームズとワトソンに言う「イチャつかないでよ」も、本編では別の訳になっています。予告編の訳が違うだけでしょうけど、見る回数は予告編の方が多くなるのですし、もう少しきちんと作って欲しいと思いました。

 ブラックウッド卿の復活をめぐって、検死したワトソン医師のヤブ医者ぶりが話題になり、ホームズがワトソンをかばっていますが、これがかなり無理。脈がなかったのは、映画での説明の仮死状態になる薬(これって「ベローナの恋人たち」=ロミオとジュリエットみたい)で、まぁいいとしましょう。でも、絞首刑での死体ですから、首にロープが食い込み、さらには首の骨の骨折が不可避です。首筋に手を当てて脈を診ていたワトソンが首に縄の跡がないのに気がつかないとしたら観察力ゼロ。そこはもう少し緻密さが欲しいなと思いました。

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