たぶん週1エッセイ◆
映画「ROOKIES−卒業−」
ここがポイント
 高度経済成長時代のスポーツ根性ものでもここまで精神論だけじゃなかったような気がする
 今時ここまで見え見えの展開にするかと思う3点差で9回2死満塁で安仁屋の打席って

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 不良高校生たちが熱血教師に惹かれて野球に励み甲子園を目指す青春スポ根映画「ROOKIES−卒業−」を見てきました。
 封切り初日初回上映はさすがに満席に近かったですが、客層は漫画・テレビドラマの映画化だけにお子様連れとそれっぽいお兄ちゃんが多く、静かな鑑賞は無理っぽい映画です。

 二子玉川学園高校(ニコガク)野球部のメンバーが2年生最後の「2009年3月」の3年生の荒れる卒業式に、教師見習いとして戻ってきた川藤先生(佐藤隆太)が壇上に駆け上がって演説するところから映画が始まり、3年生になった野球部員たちと、2人だけの新入部員、中学時代から注目され高校の野球部の練習などつきあえないと公言する傲慢な赤星(山本裕典)と、万年補欠の平塚(桐谷健太)をエースで4番と信じた入ってきたが嘘と知って拗ねる濱中(石田拓也)の軋轢があり、赤星がメジャーリーグ入りを目指して大学の野球部と練習していることを知ったキャプテン御子柴(小出恵介)が赤星が不良と喧嘩するのをかばって大腿骨骨折で夏の予選出場が絶望的になるできごとから赤星が加入するなどみんなの心が1つになって、その後は予選はあっさり進み、映画の半分くらいの時間がライバル笹崎高校との予選決勝戦に当てられます。
 基本的には、負傷で出場できないキャプテン御子柴のリハビリとメンタル、中学時代に3打席連続三振を喫した宿敵川上に対するエース安仁屋(市原隼人)のリベンジの2つが柱となってお話が進みます。
 ただ、「夢にときめけ、明日にきらめけ、めざせ甲子園」のお話ですから、甲子園で終わるかと思いきや、「2010年3月」のニコガクナインの卒業の方にクライマックスが持ってこられ、野球映画というより青春映画になっていました。

 野球映画としては、今時考えられないほど技術的な描写がなく、監督の川藤先生は精神主義一本槍。高度経済成長時代のスポーツ根性ものでもここまで精神論だけじゃなかったような気がするのですが・・・
 試合の展開も、今時ここまで見え見えの展開にするかと思う3点差で9回2死満塁で安仁屋の打席って。ここまできたら結果は言わずもがなですが、しかしそれにしても、2死満塁でしょ。そこで打者がバットをボールに当てたらボールがどこに行こうがランナーは全力疾走するのが当然なのに、誰も走らないの。なんとかして欲しいですね、こういうの。

 途中、何度か、これで終わりかと思うシーンの後、また映画が続いていくので、ちゃんとエンドロールが終わるまで油断しない方がいいと思います。1回目の終わりかなと思ったシーンで後ろに座ってた行儀の悪い高校生らしい兄ちゃんたちが帰って行きましたが、それから30分近くまだ映画がありましたし。

(2009.6.1記)

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