たぶん週1エッセイ◆
映画「51 世界で一番小さく生まれたパンダ」

 中国のパンダ基地で飼育されているパンダの子どもと母親のドキュメンタリー映画「51 世界で一番小さく生まれたパンダ」を見てきました。
 封切り3週目土曜日、東京で3館の上映館の1つ新宿武蔵野館の3番スクリーン(84席)午前10時の上映は4割くらいの入り。多数派は、もちろん、という感じのお子様連れ、次いで女性グループ、カップルというところ。

 中国の成都にあるパンダ基地。赤ちゃんパンダの保育室、母親のいる産室、子どもたちのいるパンダ幼稚園など年齢層別にパンダが公開されており、世界中から観光客がやってくる。そこで生まれた双子のパンダの赤ちゃんの後から生まれた方は体重51グラム(通常は150グラム前後)の世界で一番小さく生まれたパンダで、体重にちなんで51(ウーイー)と名付けられた。自然界では双子の赤ちゃんは丈夫な方だけが選ばれて育てられるが、51は保育器で無事に育ち、すくすくと育っていくが・・・というお話。

 タイトルの世界で一番小さく生まれたパンダは、終始登場するものの、生後1か月くらいからはふつうの大きさになって(だから世界で一番小さいではなく、「世界で一番小さく生まれた」)その後には特に小さく生まれたことが関係している様子もないので、ただのつかみで、単純にパンダのドキュメンタリーというかパンダ映像集くらいに考えてみた方がよさそうです。赤ちゃんパンダがころころしているだけでかわゆい!という人向けでしょうね。
 あの大きなパンダの赤ちゃんがわずか150グラム前後で、見た目はまるでネズミみたいっていうのが意外感があります。2週間もするとふわふわになって例の垂れ目感が出てきて、3週間くらいになると目のまわりや腕が黒くなってパンダらしくなってきます。1歳くらいのまるっきりぬいぐるみみたいなパンダの子どもが仰向けに寝転がって哺乳びんを(ラッコが貝を持ち上げるように)抱えてミルクを飲んでる姿は、考えてみたら異様な気もするけど、かわいい。

 赤ちゃんの側とともに、母親になる雌パンダの不安な様子(ってナレーションが入るのですが、目のまわりが垂れ目状に黒くなってる顔はそういうふうに見えない)が描かれています。でんぐり返りしてるような格好で赤ちゃんを産み落とすところとか、ひょうきんというか何というか。
 自分が産んだ子どもにうまく接することができなくて育児放棄状態のパンダとか、逆に自分の子でなくても抱きかかえて母乳をやる雌パンダとか、人間同様やっぱり個性というか向き・不向きがあるんですね。考えさせられます。
 次々と新しい子どもを産ませるために子どもと母親の接触を1年で断ち切る施設の方針、大人になって見世物としての価値が落ち他方広い縄張りが必要になる雄パンダの処遇とか(はっきり描いてない感じがしますけど)、野生のものとはちょっと違うところで悩ましいものを感じました。

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