たぶん週1エッセイ◆
映画「おまえうまそうだな」
ここがポイント
 家族愛の物語だが、2代にわたる育ての親と子の愛情という点で、現代的
 ハートとマイアサウラの母親、ウマソウとハートが見せる育ての親と子の愛情に素直に感動できるかがポイント

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 絵本「ティラノサウルスシリーズ」を映画化した恐竜家族愛アニメ「おまえうまそうだな」を見てきました。
 封切り7週目土曜日、キネカ大森の午前10時35分からの上映は観客8人。観客の多数派(って言ったって5人)はもちろん小さなお子様連れ。

 卵のまま川に流され草食恐竜のマイアサウラの母親に一緒に産まれた兄のライトとともに育てられたティラノサウルスのハートは、母親の愛情に守られて育っていったが、草を食べられず果実しか食べられない自分を悲しく思っていた。ある日、狩りをするティラノサウルスの一団に遭遇し、その仲間のゴンザに絡まれ、こいつは肉食恐竜だといわれてライトを食べられそうになったハートは、ゴンザのしっぽを噛みちぎって追い返すが、そのしっぽを食べて肉食に目覚めて、母親を食べてしまう恐怖に襲われたため黙って森を去った。ある日卵からかえったばかりの草食恐竜アンキロサウルスの赤ちゃんを見つけて食べようとして「おまえうまそうだな」と話しかけたハートは、赤ちゃんに父親と勘違いされてなつかれ、食べることができずにともに暮らすことになる。赤ちゃんのウマソウに平原で生きていく術を教育したハートは、ウマソウに別れを告げるが、ウマソウがティラノサウルスの一団に捕まってぼろぼろにされているのを見て逆上してティラノサウルスたちに瀕死の重傷を負わせ、最強のボス片目のバクーに平原から追放されてしまう。ウマソウとともに放浪するハートは、マイアサウラたちが住む卵山が大噴火したのを見て母親の身を案じて帰ろうとするが・・・というお話。

 家族愛の物語ですが、草食恐竜に育てられたティラノサウルスのハートが、別の草食恐竜を拾って育てるという、どちらも育ての親と子の愛情という点で、現代的というか異色なものとなっています。
 ライトの父親が登場しない片親家庭の設定は、ハートの父親(生物学上の父)を出す関係で複雑化しない配慮なんでしょうけど、その点でも現代的かなと。
 他方、ハートと父親の宿命の対決は、古典的なパターンではありますが。

 基本的にハートとマイアサウラの母親、ウマソウとハートが見せる育ての親と子の愛情に素直に感動できるかがポイントの映画です。ドラえもんの映画でも素直に泣いてしまう私には、十分感動的でした。

 でもアンキロサウルスのウマソウ、どうしていつまで経っても大きくならないんでしょ。

(2010.11.27記)

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