庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「ドライヴ」
ここがポイント
 一人で組織に立ち向かうドライヴァーのダンディーというか、クールな姿が売り
 台詞を絞り込んで音響効果と表情で語らせる部分が多い

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 腕のいい孤独なドライヴァーが愛した女性を守るため裏社会との戦いに巻き込まれていくアクションサスペンス映画「ドライヴ」を見てきました。
 封切り3週目日曜日、ヒューマントラストシネマ渋谷シアター3(60席)午前11時45分の上映は8割くらいの入り。

 ふだんは自動車修理工、ときに映画のカースタント、陰では強盗を逃がすアルバイトを続けるドライヴァー(ライアン・ゴズリング)は、アパートの隣人の人妻アイリーン(キャリー・マリガン)に惹かれ、デートを重ねていた。刑務所から帰ってきたアイリーンの夫スタンダード(オスカー・アイザック)は、刑務所で作った借金を返すためにムショ仲間の計画に従って強盗をやらねばならずそうしないと妻子の命も狙われるとドライヴァーに打ち明け、ドライヴァーは逃走を助ける約束をする。ところが押し入った先でスタンダードは射殺され、ドライヴァーは横から割り込んできた組織の男たちに襲われる。罠にはめられたと知ったドライヴァーはスタンダードのムショ仲間のところに乗り込んで口を割らせるがその黒幕は・・・というお話。

 台詞を絞り込んで音響効果と表情で語らせる部分が多く、サイレント部分で魅せる「アーティスト」とはまた違うものの、映画の表現の新鮮みを感じさせてくれました。
 孤独さ、陰のある表情といったバックグラウンドを感じさせながらも初心で一途な恋心を見せるライアン・ゴズリングと、前作「わたしを離さないで」でも見せた愁いをたたえた表情の薄幸な女がはまり役のキャリー・マリガンの淡い思いが胸に染みます。あぁ恋っていいなぁ。
 でも、それで裏社会との戦いに巻き込まれていくドライヴァー。やっぱり人妻への横恋慕は・・・ふつうの場合とは意味が違うけど。
 映画としては、一人で組織に立ち向かうドライヴァーのダンディーというか、クールな姿が売りです。愛した人を守るためっていうのも、入口はそうで、しかもその夫のせいで負った債務のために戦うかって気もしますが、巻き込まれてしまった後はもう否応なく自分の問題になってしまいますし。

 中盤からは暴力シーンが次々と登場。映画評では暴力シーンを影を使ってマイルドにしているとか書かれていて、そういうシーンもありましたが、モロの流血シーンもけっこうあります。これ、R15+はおろかPG12さえついてないけど、大丈夫かって思ってしまいました。

 ある意味、現代の西部劇って趣で、ドライヴァーの戦いというか後ろ姿をシブイ!とかクール!って思えれば満足できる映画です。

(2012.4.15記)

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