庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」
ここがポイント
 格闘ゲームの人気を当て込んだアクション映画
 格闘シーン以外に見せ場はあまりない
 チュンリーの過去というテーマも、チュンリー以外のキャラも作り込み不足の印象

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 対戦型格闘ゲーム「ストリートファイター」の人気キャラ春麗(チュンリー)の過去をテーマにしたアクション映画「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」を見てきました。
 人気ゲームのネームバリューを当て込んだ安易な企画の映画が、大抵不評なように、封切り3週目日曜日、すでに打ち切り間際で新宿ミラノでは一番狭いミラノ3に移され1日2回上映扱いでした。しかし、それが幸いしてか、半分以上席が埋まっていました。観客は若者中心で女性客もけっこういました。

 香港で父親に拳法を教わりながらピアニストを目指していた少女チュンリー(成人後はクリスティン・クルック)が、悪の組織シャドルーに目の前で父親を拉致され、成人して有名ピアニストになり、母が死んだ後に謎の占い師(?)からバンコクに渡り弱者を救う事業をしているスパイダー・ネットの「ゲン」(ロビン・ショウ)のところへ行くように告げられて、バンコクで路上生活をしながらゲンを探し、バンコクでスラム街を手に入れて住民を追い立てるシャドルーと闘い、チュンリーの目の前で父を殺したシャドルーのボスのベガ(ニール・マクドノー)を倒すというお話。
 元が格闘ゲームですから仕方ないのでしょうけど、格闘シーン以外あまり見せ場がない映画だと思います。
 チュンリーが街角でたまたまであった女性からのお告げで、家を捨ててバンコクに渡るとか、むしろストーリーの流れはRPG(ロール・プレイイング・ゲーム)かとも思えますが。

 拳法についても、ゲンがチュンリーに怒りの感情を捨てるよう修行をしていますが、格闘シーンでそれが活きているようにも見えませんし。
 ゲンがチュンリーの傷を「気」だけで治してしまったり、ミサイルで吹っ飛ばされたはずのゲンが無傷で復活したり、実写でやるにはちょっとねというシーンが多いですし。

 チュンリーの過去を描くという点で見ても、「世界中の誰にでも会うことができる」利用価値の高いチュンリーの父が何者なのか、最後まで明かされません。チュンリーの語りでも、父が何の仕事をしていたのか知りませんって。
 ベガは母体内にいる実の娘に良心を移し、良心のかけらもない悪の権化となったという設定なんですが、終盤にベガの弱点として登場するその娘が、では良心の塊かと思ったら、父親の悪事を見てもただニッコリしてるだけの線の細いキャラでガッカリします。

 脇役では、インターポールの刑事ナッシュとバンコク警察の女性刑事がシャドルーとやりあい、結果的にチュンリーをアシストします。このバンコク警察の女性刑事が、なかなか度胸が据わっていて格好いい魅力的なキャラなんですが、使い方が中途半端でキャラとして活きていません。ナッシュよりこちらを活躍させた方がよかったと思うのですが。

(2009.3.15記)

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