庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「ボーン・レガシー」

 CIAの抹殺指令の対象となったCIAの暗殺者養成プログラムで作られた最強の暗殺者と研究者の逃避行を描いたアクション映画「ボーン・レガシー」を見てきました。
 封切り3週目月曜日祝日、シネマスクエアとうきゅう(224席)午前11時15分の上映は2割くらいの入り。観客の年齢層はやや高め。

 CIAが極秘に進めていた暗殺者養成プログラムで養成されたジェイソン・ボーンと内部調査局のパメラの告発によって計画が明るみに出ることを恐れたCIAは、証拠隠滅のために関係した工作員を含むプログラム全体の抹消を決定した。ボーンとは別の「アウトカム」計画により薬物で肉体と精神を強化された暗殺者アーロン・クロス(ジェレミー・レナー)はアラスカで訓練中であったが、無人飛行機からのミサイルで襲撃される。他方、アーロンの人体改造を担当していた研究所では職員が突然銃を乱射して研究者を射殺、ただひとり生き残ったマルタ・シェアリング(レイチェル・ワイズ)はCIAの追及を受け、命を狙われるが、そこに服用し続けなければならない薬物が切れたアーロンが薬物を求めて現れ・・・というお話。

 既に完結したジェイソン・ボーン3部作の第3作の進行と並行して別の暗殺者養成プログラムが進行していて、ボーンらの告発によって発覚するリスクが生じたので、そちらの別計画も含めて証拠隠滅のために関係者を抹殺することになって、ボーンとは別にアーロンらも抹殺しなければならなくなり、CIAが組織を挙げて行方を追う中をアーロンとマルタが逃避行するという設定です。これがきちんと説明されない上に、ジェイソン・ボーンが登場しないのに名前が何度か出てくるので、ジェイソン・ボーン3部作を見ていない私には、アラスカでサバイバルしているのがジェイソン・ボーンではなくてアーロンという別の暗殺者なのだということを理解するのにずいぶんと時間がかかりました。
 研究所で職員が突然他の研究員を銃撃し始めた経緯も唐突な感じで、見ていて結局その動機もよくわかりませんでした。
 見ていて、アーロンがCIAから命を狙われ、その後マルタも命を狙われ、その2人が逃避行するということは、その流れに関する限りごくシンプルにに理解できるのですが、その理由とか前提事実とかを考えると、今ひとつわかりにくい映画だったように思います。

 アクション映画として、無人飛行機の爆撃とアーロンの対抗策、研究所とかマルタの家での銃撃、CIAの裏をかいての出国、マニラでの逃走劇などは、あれこれ考えずにとにかくCIA対アーロン&マルタという構図だけで楽しめます。アーロンよりさらに完成度の高い暗殺者と紹介された追っ手はなんかしょぼくて看板倒れでしたが。

 ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)が登場しない映画につけたこのタイトルは、ボーンの遺産(legacy)でさらにひと儲けをもくろむ制作者を意味しているのかも。

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